いつもの生活と大きく環境が変わる旅行中は、食べ過ぎ・飲み過ぎ、寝不足など、さまざまな問題が生じやすくなります。そんなときに重宝するのが漢方薬です。
実は即効性のある漢方薬もある
漢方薬というと体質改善とか、長期間飲まなければならないといったイメージを持ちがちですが、実は即効性があり、頓服的に使うものも少なくありません。
筆者も、旅行をする際には必ず何種類かの漢方薬を持っていきます。結果的に自分が使わなくても、同行者や同じツアーの参加者の具合が悪くなることはよくあるもので、そんなときにわけてあげるととても喜ばれます。
そこで今回は、旅に役立つ漢方薬を紹介したいと思います。
バスや車での移動で困るのは、乗り物酔いです。漢方の考え方でいうと気・血・水(き・けつ・すい)のうち、とくに水に問題が起こる「水毒(すいどく)」があると、乗り物酔いをしやすくなります。
水毒とは、体内に不要な水が偏在している状態をいいます。漢方でいう水は、体内の水分、つまり体液全体を指します。胃腸に滞った水が逆流すれば、吐いたり、ムカムカと気持ちが悪くなったりします。
この水をさばいてくれるのが、漢方の「利水薬(りすいやく)」に分類される処方です。代表的なものが五苓散(ごれいさん)で、体内の水の偏りを正して、水分バランスや代謝を正常にしてくれます。乗り物に酔いやすい人は、乗る30分ほど前に五苓散を服用するといいでしょう。
また、乗り物に乗っているときは、冷たい飲み物や食べ物、アルコールはできるだけ摂らないようにします。空腹すぎても、満腹すぎても酔いやすいので、移動する前の食事はできるだけ消化がよく温かいものを、腹6分目を目安に摂るように心がけます。
手首にある内関(ないかん)というツボを押すのも効果的です。 酔う前に押すのがいいですが、少し気持ち悪くなってからでも間に合います。ゆっくりと1回10秒くらい、気持ちいい強さで繰り返し押してみてください。
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