黒木華ら参加「循環社会」伝える個性的な取り組み サーキュラーエコノミーの概念も織り込む
日本映画界の実力者たちと、自然科学研究者が連携して、100年後の未来に伝えたいメッセージをエンターテインメントの形で伝えていく「YOIHI PROJECT」第一弾作品となる『せかいのおきく』(阪本順治監督、黒木華主演)が4月28日より全国公開されている。
江戸時代のサーキュラーエコノミー(循環型経済)を題材に、3人の若者の恋と青春を描いた作品となっているが、同作の世界から新たに「うんたろう たびものがたり」と題した絵本、アニメ化も展開されている。
うんちを通じて循環社会を親子で学ぶことを目的とした絵本を担当したのは人気絵本作家の森あさ子、そしてアニメ版には、「SPY×FAMILY」の種崎敦美、「ONE PIECE」の山口勝平ら豪華声優陣が参加。さらに『せかいのおきく』主演の黒木華がアニメ版のナレーションも担当している。
“うんち”を通じた青春模様を映画で描き出し、さらには絵本、アニメで子どもたちに向けたメッセージを投げかける。そんな異色のプロジェクトを手がけたのは、『亡国のイージス』『テルマエ・ロマエ』など数々の映画で美術監督を担当してきた原田満生。今回は、YOIHI PROJECT代表を務める原田プロデューサーに本プロジェクトにこめられた思いを聞いた。
青春映画として昇華させる
――普段、"うんち"というものは見たくないものだと思われがちですが、それをくみ取らなければ、それが溜まってしまい、人々の日常生活は成り立たない。一方でその不要だと思われるものをお金を出してでも引き取りたい人がいる。そういうサーキュラーエコノミー(循環型経済)の概念をさりげなく織り込みつつも、青春映画として昇華させたところに、この作品の面白さを感じました。
実は最初、阪本順治監督に、このYOIHI PROJECTの話をしたときには断られたんですよ。
「自分にはそういう綺麗ごとはわからない。ただ1個だけやれることがあるとしたら"うんち"の話かな。底辺からいろんな世界を見ることでなら表現できることもある」とおっしゃっていたので。
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