一方、オンラインツールを使いこなし学生生活を大いに謳歌する人たちもいました。自分のやりたいことを追求し「起業する」「新たな仲間を増やす」、通学時間などがなくなったために「今まで以上に有効に時間を使う」といった学生もいて、その差は大きく開いていったともいえます。VRなどで、新しい人や今まで会えなかったような人と会うのが、楽しくて仕方がないという学生もいました。
両極端な例を挙げましたが、多くの学生は、基本的な授業をはじめ、就活等もオンラインが当たり前になり、使わなければ何も始まらないという環境下の中で試行錯誤し、オンライン社会に適応していったと思います。
オンラインに慣れてしまうことで起きるデメリット
最初は戸惑いながらも、飲み会もサークル活動も、オンライン花盛りの時期を過ごしてきた学生たちなのです。
私自身も当時は、カウンセリングをオンラインで行うことに否定的で、致し方なく行うという意識が強く、都度クライエントの方に「このような状況で対面でなくて申し訳ない」と謝っていましたが、特に学生を中心とした20代の若い世代からは、「こちらのほうが話しやすくてよい」と言われて、驚いたことを鮮明に覚えています。一人きりの空間にいて、画面を通じてだと緊張感が緩和され、相手の目を気にせずに自分の世界に入り込めるからというのが、その主な理由でした。それ以降は、より前向きにカウンセリング業務ができるようになりました。
しかし、デメリットももちろんあります。
オンラインに慣れてしまうと、直接対話することに、必要以上に緊張感を持ってしまう人が増えるということです。「今、自分がどんな表情をしているのかが見えないことで、不安になり言葉が出てこない」「今まで気にならなかった情報が入ってきすぎて集中できない」という声はよく聞かれます。相手からの情報、例えば、身長などを含め、たくさんの情報が目の前にある、周囲の音や匂いに敏感になるケースもあります。
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