友人からの悩み相談を「聞き疲れしない」コツ 「自分自身を重ね合わせて同感」してはダメ

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悩みごとを聞いていて「疲れ」を感じてしまうのは、受け止めかたのせいかもしれません(写真:takeuchi masato/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」
の大野萌子です。

相談業務をしている私は、よく「悩みごとを聞いて、つらくなりませんか?」という質問を受けます。おそらく、人の話を聞いてつらくなった経験があるからこそ生まれる質問だと思いますが、その答えは「NO」です。

もちろん、集中して相手の話を聴くので、そうした意味ではとても疲れます。しかし、伺った内容に対して気持ちが疲れるかというと逆で、勇気をもらったり、生きる本質を真剣に見つめなおしたりできる、プラス面のほうが圧倒的に多いのです。

疲れてしまう理由

おそらく、疲れてしまうと感じる方々は、相手のためにと思い、問題解決のためのアドバイスを一生懸命に考えるからかもしれません。誠実な方は、人から相談を受けたときには、真摯に答えなくてはと苦しくなるのも当然です。しかし、苦しくなるのは、悩みやつらさを、あたかも「自分のこと」としてとらえてしまうからです。以前、同じような経験をした、似たような状況で苦しんだ経験があれば、それがよりリアルに感じられます。これを「同感」といいます。

要するに、今まで経験した自分自身のことを重ね合わせることで、「わかる、わかる。私も同じように思う」という感覚を強めるのです。例えば、仕事で失敗して落ち込んでいるという話を聞き、自分が仕事を失敗して落ち込んだときの感情と重ね合わせて反応します。相手のエピソードを通して、過去の自分の感情を蘇らせ、一緒になって感情の波にのまれることになります。

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