友人からの悩み相談を「聞き疲れしない」コツ 「自分自身を重ね合わせて同感」してはダメ

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しかし、実際には同じ気持ちであるはずがなく、似たような状況下での自分の気持ちを思い出しているだけで、相手の気持ちとは異なります。さらに、自分の経験や知識をもとに、相談してきた相手にアドバイスをしたくなります。「同じことを経験したからこそいえる」と、自信満々に、そして「解決してほしいと願えばこそ」「相談される頼れる存在でありたいからこそ」気持ちも入ってしまい押し付けがましくなりがちです。そして、相手がそのアドバイスを実行しようとしないのなら、怒りさえ覚えてしまうのです。

「同感」ではなく「共感」を

では、どうしたらよいのかというと、「同感」せずに「共感」すればいいのです。同感が「私もそう思う」と話を聞く側が主体になってしまうのに対し、共感は「(あなたは)そう感じたんだね」「そうしたことがあったんだね」と相手主体のかかわり方です。

共感の場合は、聞いている側の考えは基本無視です。人間なので、感情が動かないということはありませんが、それでも、「自分だったら……」とか、「そういうときは、こうすればいいのに……」という考えは封じ、相手が何を訴えているかに気持ちを集中させます。そうした対応をすることに距離感を覚え、冷静がゆえに、冷たい対応に思えるかもしれませんが、これこそが相手を尊重する関わり方なのです。

相手を受け止めるためには、一定の距離間が必要です。ずかずかと境界を越えて相手の領域に踏み込むことも避けられます。相手主体のかかわり方は、正確かつ純粋に相手の思いを受け止めるための集中力は必要なものの、自分の気持ちと切り離しているので、引きずられて疲れることはありません。

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