子どものためを思って言った言葉が、言われた当の子どもたちには、自分を否定されたように聞こえてしまうことがあります。親の真意を伝えるには、「親の言うことを聞かせる言葉」から、「子どもの判断を認める言葉」に変えなければなりません。つまり、「こうすべき」という親の価値観から、子ども一人ひとりを「そのまま認めること」への転換が必要なのです。
『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』では、NHK「すくすく子育て」元司会で、現在は「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表理事を務める天野ひかりさんが、これまで多くのお母さん、お父さんから実際に相談された悩みの中から、特に多くの方が抱えているお悩みを集め、親と子どもの視点の違いについて解説しています。
※本稿では同書より一部を抜粋・編集しお届けします。
そもそも叱る目的は?
レストランや公共の場で騒ぐ子どもを「叱る」以外の方法は?
「叱らずに子育てできれば悩まずにすむのに……」という声もあれば「叱らない親がいるから、子どもがやりたい放題になって迷惑がかかる。叱るべきだ」という声もありますね。そもそも叱る目的はなんでしょうか。悪いことをしたから罰を与えるという考え方もありますが、それでは子どもの成長は期待できません。
よく見かけるシーンをNGマンガで見てみましょう。
これを繰り返しても、親子で疲れ果てるだけで成長は見込めないでしょう。
たとえ、叱ったときはやめたとしても、「ここ(レストラン)では走り回るのはやめよう」と子どもが自分で考えて行動できなければ、意味はないからです。
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