体裁を保つため「人前で子どもを叱る」親の葛藤 公共の場で騒ぐ子どもを「叱る」以外の方法

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親の体裁を保つために人前で叱ってしまうのかもしれませんね。しつけのできない親と思われたくないという気持ちがありそうです。逆に叱る子育てはよくないからといって、まったく気に留めない親がいますが、それはただの非常識です。叱らず、放置せず、どうしたらいいのか。以下のOKマンガを見てみましょう。

『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』©天野ひかり(著)とげとげ。(イラスト)/ディスカヴァー・トゥエンティワン

子どもを注意するときには、順番がある

①  子どもを認める言葉をかける

騒ぎ始めたときに、「やめなさい!」と否定する言葉ではなく、OKマンガでは「うれしくなっちゃったね」と子どもの気持ちを認める言葉をかけています。これが大切。

お母さんに自分の気持ちをわかってもらうことで、子どもたちは落ち着きを取り戻します。そして一緒に食事をする楽しさを感じるはずです。

② 親がお手本を見せる

①のタイミングと同時に、親が謝っている姿を見ると「大好きなお母さんを謝らせている。なんか悪いことをしたのかな……」と、自分と周りを冷静に見られるようになります。

マンガの場合は、親が謝ること、親が静かに喋って楽しく食べることがお手本です。

③ ルールを説明する

その後で「レストランは走り回らずに食事をするところだよ」というルールを聞かせます。これで少しずつ理解できるようになっていきます。

この言葉かけの順番が大切です。

「ここは食事をする場所で、走り回る場所ではないの」

子どもにわかってほしいことですが、いくら丁寧にルールを説明しても、残念ながらあまり効果がないのは、①と②をすっ飛ばしてしまっているから。

いきなり③のルールを説明しても、子どもは「いつも僕のことを否定する」「いつも怒ってばかり」と受け止めてしまって逆効果なのです。

正論(ルール)を言うときこそ、気をつけねばなりません。まずは認める言葉をかける。これが鉄則です。

目的は、叱って言うことを聞かせることではなく、子どもが自分で考えて行動できるようにすること。つまり、「自己肯定感のある自律した大人に育てること」だからです。

「叱ったり」「放置したり」「何度も説明したり」するよりも一番効果的なのは、子どもに関心を持ち、子どもの気持ちと言動を「認める」こと。叱らなくても大丈夫な言葉かけをぜひ実践してみてくださいね。

POINT 叱らず、説得せず、まずは子どもを認める言葉かけから始めよう
NG やめなさい!レストランで騒がない!
OK (周囲に向かって)騒いでしまってごめんなさい。(子どもに)小さい声で話そうね。
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