「親ガチャ」に眉をひそめる親たちに欠けた視点 格差や虐待を論じるのは飛躍しすぎている

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そもそも人生はさまざまな運に左右されています(写真:撮るねっと、Ushico/PIXTA)

乙武洋匡さん、ひろゆきさん、茂木健一郎さんら著名人が語るなどネット上のホットワードになっていた“親ガチャ”が、地上波の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)でもピックアップされました。しかも9月16日放送のトップニュース扱いでMCの加藤浩次さん、モーリー・ロバートソンさん、坂口孝則さん、池田美優さんらが熱っぽく意見を交わしたことが示唆に富んでいます。

この“親ガチャ”は、「子どもは自分で親を選ぶことができず、どういう境遇に生まれるかは運任せ」であることを抽選形式でカプセルトイなどを購入するガチャにたとえた言葉。数年前からネットスラングとして使われていましたが、このところSNSへの投稿が相次ぐなど若者の間で浸透しています。

「スッキリ」では、まず子どもたちが「親ガチャあると思う。うちは貧乏で進学を許されず、早くから働いて仕送りしていたから」「もっと身長が高かったらなぁ。身長とかの遺伝は親ガチャ失敗だよな」などの声を紹介。そのうえで、親たちが「子どもに『親ガチャハズレ』って言われたらショック」「ないものねだりをしないほうがいい。与えられた環境で楽しく、『人は人』ってはっきり教えます」「親も子どもを選べないし、その言葉を使うのはとても失礼」などと嘆き、怒る声を放送しました。

確かに親子の関係性をガチャにたとえて発信するのは、ほめられた行為とは言えないでしょう。しかし、子どもたちの声に眉をひそめる親たちには、決定的に欠けている視点があるのです。

格差を感じやすい現代の若者たち

茂木健一郎さんは、「親の資質、経済力、学歴がばらけるのは統計的に当たり前で、しかも何がいいか悪いかは簡単には決めつけられません」「社会全体が子どもを育てるという意識をもっとわれわれが持たないと」「芸術体験とかスポーツ体験とか、さまざまな経験が家庭環境じゃなくて社会全体で提供できる体制を作ることによって自然と親ガチャという言葉がなくなっていく」。

ひろゆきさんは、「令和2年度は、児童相談所の児童虐待対応件数は20万5029件、過去最多。子供は減ってるのに、児童虐待が増えてるわけです。ひどい親がいる現実をほっといて『親ガチャ』という言葉を使うのは良くないとか言ってるのは、恵まれた環境で育った人の驕りだと思うおいらです」。

乙武洋匡さんは、「私はありがたいことに“親ガチャ”に恵まれた。一方“肉体ガチャ”なるものがあるとするならやはり大外れを引いたと言わざるをえないだろう」「『いろいろ違いはあるけれど、どのガチャを引いても魅力的』という社会にしていきたいですよね」。

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