「奨学金240万円」34歳彼女が選んだ仕事と結婚 大学ではなく専門学校に進んだ理由とその結果

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「1年生から学校のキャリアサポートセンターに通ったりして、先生たちには『絶対に就職したいんです!』と伝えていました。おかげで結構求人票をあっせんしてもらえたのですが、不況のせいで全然就職先が決まらず……。

面接にすら進めず、かなり就活には苦労したのですが、最終的にテレビCMでも有名な機械メーカーの会社に入ることができました。学校に求人票が届いたことを先生が教えてくださり、50人ぐらいライバルがいたのですが、学校推薦をもぎ取れたんです」

こうして始まった弓木さんの社会人生活。就活でも人気の「事務職」だったが、給料には恵まれなかった。

「家賃補助が出たので、自己負担1万円程度でそれなりのアパートには住めましたが、正社員なのに月給は17万円程度……。手取りになると10万円台前半だったので、節約せざるをえませんでした。

先輩たちはもともと実家が裕福な人が多く、社内でわたしのように困窮している人はほかにはいなかったため、飲みに行ったらおごってくれました。そのうち、2〜3歳上の先輩とお付き合いするのですが、普段は行けないレストランや、旅行に連れて行ってもらえたのは嬉しかったですね」

奨学金返済でより苦しくなった社会人2年目

そして、忘れてはならないのが、この手取り10万円から、毎月奨学金を返済しなくてはならないということだ。

「毎月、1万5000円くらい返していました。2年目に給料が5000円アップしたのですが、住民税のほうが少し高くついたため、手取りが減ってしまって……。さすがに、このときばかりは『こんな安い給料の中から、さらに奨学金も払わなくてはならないのか!』と思ってしまいましたね。

そのうえ、社内の給料格差は大きく、わたしは30歳手前になって、ようやく手取りが20万円になったのに対して、当時付き合っていた年上の彼氏は院卒で、同じように奨学金を借りていたのですが、彼は入社から2年で返せたそうです」

せっかく、大手企業に就職したにもかかわらず、給料がどうにも上がらなかった弓木さん。そこで、入社から8年が経った頃、一念発起して転職を決意する。

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