「奨学金240万円」34歳彼女が選んだ仕事と結婚 大学ではなく専門学校に進んだ理由とその結果

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また、時系列に沿って話をまとめると、弓木さんは転職の前に、結婚している。キャリア面はかなり戦略的に進めたようだが、恋愛面はというと……。

「友達の紹介で、まったく別の業種の男性と知り合って結婚しました。相手は奨学金とは無縁の、実家が湘南にあるようなお坊ちゃん。昔は家にお手伝いさんがいたそうですが、そんな人が実在するんですね(笑)。

そのことを知ったのは結婚後ですが、結婚する相手はそれなりに現実的に考えていたフシはあります。土地や山を所有している人……とはいいませんが、ちゃんと働いていて、実家も安定している人が理想でした。

というのも、同じく奨学金を借りている友達に、親が奨学金を全部使い込んでしまったという人がいて、『世の中にはそんな親もいるんだ』とショックを受けたんです。

そこから、『毒親っぽい親を持つ人とは絶対に結婚したくないな』と思っていましたが、その点、今の旦那の義父さんは大企業の役員だったので、安心できました。わたしの奨学金にも関しても『全部自分で返す』といったところ、旦那も『そうなんだ』程度の認識でしたしね」

貯金ができるたび繰り上げ返済し、結婚前に自力で完済

こうして格段に年収をアップさせ、お金持ちとも結婚した弓木さん。肝心の奨学金の返済は、夫に頼ることなく、結婚する直前に完済した。

「コロナ禍で暇だった時期に、何気なく奨学金の残額を調べるためにネットを見ていたところ、繰り上げ返済は昔のように電話や手紙ではなく、ネットで申し込めるということを知ったんです。

それなら気軽にできるし、さらに奨学金を2回分繰り上げ返済すると、金利の関係で3回分払う回数が減るということに感動したんです。もう、少しでも無駄なお金を払いたくないので、そこからは貯金ができるたびに繰り上げ返済してました」

なお、妹も良家の男性と結婚しており、同じタイミングで奨学金180万円を一括返済したという。「同じ家庭に生まれながらも、姉妹の趣味も性格も真逆で、共通点を探すのが難しいくらい」とのことだが、「奨学金を借り、自力で繰り上げ返済した」という、苦労と自立の経験が関係しているのではないかと、弓木さんは考えているそうだ。

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