《プロに聞く!人事労務Q&A》感染症にかかった社員に出社停止を命令した場合、給与の支払いはどうすればいいですか?

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《プロに聞く!人事労務Q&A》感染症にかかった社員に出社停止を命令した場合、給与の支払いはどうすればいいですか?

 

回答者:鈴木社会保険労務士事務所 鈴木ひろみ

質問

感染症にかかった社員に出社停止を命令したいと思います。しかし、この社員はすでに有給休暇を使い果たしています。こうした場合に社員に出社停止を命令できますか?
休ませた場合、給与を削減できますか?(製造業:人事部)

回答

感染症の種類によって、出社停止命令を出すことができます。また、この場合、給与の支払義務も発生しませんので、その分給与を削減することができます。

感染症等で出社停止命令を発令し、給与を支払わなくてよいのは、
(1)労働安全衛生法第68条の就業禁止に該当したとき、
(2)感染症法第18条の就業制限に該当したときです。

●労働安全衛生法の規定について

労働安全衛生法第68条では、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省令で定めるところによりその就業を禁止しなければならないとしています。

そして、労働安全衛生法施行規則第61条では、
(1) 病毒伝ぱのおそれのある伝染病の疾病にかかった者(ただし、感染症法によって予防の措置がとられる場合は対象外)、
(2) 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく憎悪するおそれのあるものにかかった者、
(3) (1)・(2)に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかった者が就業禁止の対象者としています。

ただし、これらに該当している場合でも、あらかじめ、産業医その他専門の医師の意見を聞かなければなりません。意見を聞いたうえで、就業禁止命令を出すこととなります

この場合、給与の支払いは不要です。

 

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