なぜ中国人は日本で「便座」を爆買いするのか

来日して買っていく商品第3位!

中国人はなぜ温水洗浄便座を日本で”爆買い”するのか?(写真は、都内の家電量販店の免税品売り場)

「中国語の表示もあるしさ~、やっぱりこの便座がいいんじゃない? いちばん売れているっていうし。お父さんも欲しいって前から言っていたでしょう? 友だちの陳さんちにだってあるんだよ~」

お花見シーズンも終わり、中国人の「爆買い」も一段落したかに思えた4月中旬の週末。午後8時ごろ、都内の家電量販店の免税品売り場をのぞいてみると、レジの周辺は黒山の人だかりとなっていた。

春節で売れたもの第3位が「便座」!

特に混み合っていたのは温水洗浄便座のコーナーだ。通常は量販店の上のフロアにある同コーナーと比べて、ここには見本が数台しか置いていないのに、数組の夫婦や家族連れがひしめき合い、「便座」について熱く語り合っている。冒頭のように、購入に意欲を燃やす妻が夫を説得しているところを偶然見掛け、私は「やっぱり、中国人観光客が日本の温水洗浄便座を爆買いしていくというのは、本当だったんだ!」と思わずひざを打ち、にんまりと笑みがこぼれてしまった。

今年の春節、中国人の「爆買い」が日本のメディアでも大注目された。春節期間中に来日した中国人は約45万人と史上最多。この期間の消費金額は約60億元(約1140億円)と、とんでもない数字だったが、微博(中国版ツイッター)などの調査によると、中でも売れた商品のベストスリーは①医薬品、②化粧品、③温水洗浄便座、の順だった。

医薬品や化粧品は1万円以下で買えるものがほとんどだが、温水洗浄便座は金額が張るものでもあり、飛行機に乗せて持ち帰るには大きすぎる。なぜ、彼らはこんなものをわざわざ買って帰るのか? 新著『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』(中公新書ラクレ)でも取り上げたが、中国人が日本で温水洗浄便座を買って帰る動機や心理、その背景にある中国人の暮らしぶりについて知りたくなり、私は中国と日本で取材を続けてきた。ここではその一端をご紹介したい。

次ページなぜパナソニック製が売れるのか?
関連記事
トピックボードAD
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 銀河を渡るを読む
  • 中原圭介の未来予想図
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
採用クライシス<br>就活ルール廃止の衝撃

経団連が就活ルール作りからの撤退を決定。採用日程は今後どうなるのか。中長期的なあり方を議論する間もなく、足元では超売り手市場の下、仁義なき新卒争奪戦が繰り広げられている。採用手法も人気業界も激変する中での各社の取り組みは……。