トイレットペーパーの知られざる「表と裏」 裏側でふく人は、ちょっと損をしているかも

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 日本のトイレはもはや排泄するだけの場所ではない。日本人の「清潔好き」と「技術力の高さ」が相互にトイレ環境を磨き上げ、独自の発展を遂げ、かつてない高みに到達している。この特集では、日本のトイレ文化が世界にもたらす未来について、5日連続で紹介していく。5日目は、トイレ空間に欠かせない「トイレットペーパー」、そして「ハンドドライヤー」の進化を追う。
1日目「日本のトイレは排泄するだけの場所じゃない!」はこちら。
2日目「81歳創業者はなぜトイレを素手で磨くのか?」はこちら。
3日目「『TOTOトイレ開発100年』が日本人を変えた!」はこちら。
4日目「『空飛ぶトイレ』『グリーントイレ』って何だ?」はこちら。

男性のほうが几帳面、ジャバラに折りたたむ人も

トイレットペーパーには「表」と「裏」があるのをご存じだろうか。

「表側は、トイレットペーパーが巻いてある状態で表面に出ているほうです」と、「スコッティ」「クリネックス」ブランドでおなじみの日本製紙クレシア・マーケティング部長の高津尚子さんは話す。

「裏側でふいている人は、少し損をしているかもしれません。エンボス加工によって凸凹をつけており、裏側のほうが少しけばだっていて感触がざらつきぎみになります。シングルは特にそう。ただ、けばだっているほうが摩擦で汚れが取れやすいので、お好みによりますが」。

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あなたはどう使っている?

自分がトイレットペーパーをどう使っているか思い浮かべてみよう。

同社のアンケート調査によると、トイレットペーパーの使い方は実にさまざまだ。最も多いのは「やわらかく丸める」(28%)。続いて「表側を外にして折りたたむ」(19%)、「表側を外にして手に巻き取る」(18%)、「裏側を外にして折りたたむ」(16%)、「裏側を外にして巻き取る」(13%)。

「長年、調査していますが、女性はやわらかく丸めてくしゃくしゃっと使う人が多い。男性のほうが几帳面なたたみ方をする傾向があります。トイレットペーパーを使う回数が女性より少ないからでしょうか。ミシン目に沿ってきれいに折りたたんだり、ミシン目のところでジャバラのように折りたたむ人もいます」

ジャバラ!? パンツを下ろした格好でジグザグに折りたたんでいる姿を見てみたいものだ。しかし、トイレの使い方と同様、他人のトイレットペーパーの使い方も目にする機会はほぼない。

ほかの調査結果も聞いておこう。トイレットペーパーを使う量は、「小」の場合、平均約100センチ。「大」の場合は約200センチ。シングルでもダブルでも同じ程度。トイレットペーパー市場全体の「シングル」と「ダブル」の売り上げは、ざっくりとシングル4割、ダブル6割。

「市場全体で再生紙のトイレットペーパーが6割を占め、再生紙はダブルが多いからです。再生紙のシングルはあまりありません。1回紙にしたものをもう1回紙にするため、繊維が短くなって弱くなるからです。シャワートイレを使った後に再生紙のトイレットペーパーでふくと、紙が弱いのでお尻に張り付くのが嫌だという消費者の声もあります」

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