なぜ中国人は日本で「便座」を爆買いするのか 来日して買っていく商品第3位!
中国人の店員が中国人客に熱心に薦めていたのは、当日、この量販店で5万9800円(税抜き)で売られていたパナソニック製品だった。
中国などの220ボルトの電圧に対応した商品で、「強弱」「停止」など機能ボタンはすべて中国語表示になっている。店員は「箱の中に申込書が入っているので、それに記入して中国の工事会社に申し込みするだけでいいからラクですよ。工事して電源を差すだけ。誰でもすぐに使えます。簡単、便利だから、これを買って帰る人が多いですよ」と説明。
中国人客は使い心地や、宿泊先ホテルへの配送システムなど、細かい質問をしていたが、最初から購入する気満々で、私が中国人の家族のふりをしてその場に立っていたわずか20分ほどの間に、3組の中国人夫婦がさっさと大きな便座を買っていった。
中国市場向けに開発したパナと、していないTOTO
パナソニックによると、同製品は2012年に発売したツーリスト用モデルで、今年5月に切り替えの新製品が発売される予定だという。日本向けの同等タイプと異なるのは、乾燥、防湿機能などがついている点で、現地での設置無料券も同封されている。
同社によると、同商品を中国大陸の中国人だけが買っていくとは限らないそうだが(220ボルトを採用している他国からの旅行客も混ざっており、購買者の国籍別統計は取っていないため)、昨年の1~2月(春節時期を含む)と比較すると、約3倍(台数)ものペースで売れているというから、やはり「爆買いの効果はあった」といえる。
一方、トイレといえば「ウォシュレット」でおなじみのTOTOだ。中国人の間でも知れわたっている日本の有名ブランドのひとつでもある。TOTOは日本国内仕様(100ボルト)の商品は多数のラインナップを取りそろえているが、中国などで使用できる220ボルトの商品はまだ開発していない。基本的に日本で売られている商品は国内向けのものなので、免税品コーナーにもわずかしか置いていないのが現状だ。
店員は「TOTO製を欲しがるお客さんはもちろん多いですよ。水滴の飛び散り方とか、工夫されていてすごいんでしょ~と技術的なことまで知っているお客さんもいて、こちらのほうが逆にびっくりします。微信(中国版LINE)なんかで、情報が飛び交っているようですね。
でも、TOTOは中国での取り着け工事までカバーしていないので、そこは現地でやってください、と説明しています。また、中国で使用する場合は変圧器が必要になるので、当店で変圧器を購入するか、中国で調達するように、と説明しています」という。
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