Web2.0までの世界は、国家、GAFAMをはじめとする大企業、銀行などの「権威」を、人びとがトラスト(信頼)することで成り立っていました。つまり、権威が行うことは間違いがないと信じられ、信頼できるからこそお金を預けたり、サービスに対して安心して手数料を払ったりしていました。
実際に、私たちの財産を保証してくれるだけの力を持っていますし、問題が発生した時に迅速に対応してくれるというメリットはあります。しかし、多くの人びとが権威に信頼を置きすぎると、問題も生じてきます。
権威に対して富や権力、また、情報が集中することで中央集権型システム特有のリスクが生まれるのです。たとえば、大多数の人が特定の企業にトラストを集中させてしまうと、その企業が暴走した時に食い止めることが難しくなります。また、その中央管理者が攻撃されると、データ全体が漏洩してしまうリスクもあります。
そこで、Web3は、ブロックチェーン技術を土台に、
この「トラストレス」という思想こそが、Web3を突き動かしている根幹的な思想だと言えます。トラストレスなネットワークでは、ユーザー同士がつながり、権威に頼らず、それぞれが協力してシステムを成立させる必要があります。
かつて後れを取った日本に逆転の目はあるか?
Web2.0までの時代、インターネット産業における覇権は、アメリカが握り続けてきました。GAFAM5社はすべてアメリカの企業ですから、アメリカの一人勝ちの時代と言っても過言ではない状況でした。
Web3時代が幕を開けると、2022年3月にはアメリカのバイデン大統領が大統領令を出し、暗号資産をはじめとするデジタル資産に関する共通戦略を打ち出すように指示しました。これは、今後のWeb3時代の戦略について省庁や機関の間での意見の食い違いをできるだけ減らし、物事をスムーズに進ませるための措置でした。
ほぼ時を同じくしてイギリスでも、政府が王立造幣局にNFTの発行を求めるなど、いち早くWeb3時代の舵取りを目指す姿勢を打ち出しました。
一方、Web2.0の時代にはネット産業で完全に後れを取っていた日本も米英に後れまいと、自由民主党デジタル社会推進本部が2022年初頭に「NFT政策検討プロジェクトチーム(NFT政策検討PT)」(現在のweb3PT)を設置。2022年3月には同チームがNFTホワイトペーパー(案)を発表しました。
同チームは、日本にはNFTと相性の良いアニメやゲームなど国際的競争力を有するIP(知的財産)コンテンツが豊富にあるため、Web3時代に世界をリードするポテンシャルがあるとしています。
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