メタバース空間上で土地を売買したり、コンサートイベントを開催したり、現実世界では難しい社会実験やシミュレーションが可能になるかもしれません。
バーチャルファーストのメリットは、リアルで居住している空間とは全く異なる空間で時間を過ごせるようになること、創作したコンテンツのNFT取引などバーチャル空間ならではの職業や取引が生まれること、バーチャル空間でなければ知り合えない人びとと交流が持てるようになることなどです。
ちなみに、Web3はWeb2.0の中央集権型ネットワークへの問題意識から生まれた概念ですが、Web2.0が、Web3に一気に取って代わられるということはないでしょう。Web2.0的なサービスにも、利便性など私たちにとって必要な良い側面もあります。ですから、今後はWeb2.0とWeb3の良い面が共存していく時代になると考えられています。
中央集権型のネットワークにはデメリットもある
それにしても、なぜWeb3がここまで、注目を浴び出したのでしょうか。
そもそものきっかけは、Web2.0を牽引してきた大企業であるGAFAMへの不満でした。
GAFAMのサービスは、非常に優れており、現代人にとってもはや必要不可欠と言ってもいいほど普及しています。その一方で、情報が一極的に集中してしまうことに、不満を抱く人もいました。
まず、中央集権型のネットワークであるということは、手数料以外にも、ユーザーに対してさまざまなルールに従うことを暗に要求できます。
つまり、アプリ開発者などは自分のアプリを売ろうとする時に、その販売元であるGAFAMのルールに従わなければなりません。また、銀行と同じように高い手数料を取られるというデメリットもあります。
また、プラットフォームを握っているGAFAMによって情報が一元的に管理されているために、それらの企業がハッキングなどの攻撃対象になった場合、その会社が管理しているデータの全てが危険にさらされる可能性がありました。
Web3は、このようにWeb2.0を牽引したGAFAMの利便性と、それがもたらした問題点の葛藤から生まれてきた、新しい時代のインターネットの形なのです。
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