英語が話せない原因は「英語力」より「日本語力」だ 「日本語をそのまま英語で表現」の落とし穴

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長部三郎先生の『伝わる英語表現法』(岩波新書)に「日本語と英語は違う言語。だから訳すのではなく、伝えるという認識を持つこと」と書かれていますが、まさにこれが英語を噛み砕いて分かりやすく伝えるということなのです。

よく「英会話は中学英語で大丈夫!」と言われますが、それは伝えたいことを噛み砕いて考えることで、難しく思える日本語でも簡単な英単語で表現することができるからなのです。ただし、すぐにやみくもに中学英語を使うのではなく、その前に英訳しやすい日本語に言い換えることを忘れないでください。

3、日本語は大切なことを後に、英語は先に言う

さて、最後に3つ目のルールについて解説していきます。日本語を噛み砕けるようになり、主語と動詞を設定できたら、最後は文の組み立て方だけ。

そこで必要となってくるのが「英文法」。英文法は、英文を作る時のルール。このルールに沿って作っていくことが必要になるからです。

さて、ここでは英語を話すために最低限知っておくルールを1つだけお伝えします。それは「語順」です。

語順に関して覚えておきたいルールは、実は次の2つだけ。

1)主語・動詞からスタート
2)まずは全体像から
 

1)主語・動詞からスタート

これは先ほどの「日本語を噛み砕く」というお話でもお伝えしましたが、英語には必ず主語、そして動詞が必要です。日本語は省略されることが多いですが、英文を作る時(英文に言い換える時)には「どちらも必ずつけましょう」とお伝えしました。

その時の順番は、通常の文章でしたら基本的には主語・動詞の順番になります。

できるだけ人間を主語にする

この主語と動詞を決める時のポイントは、できるだけ最初は人間を主語にすること。そうするだけでシンプルに文を作ることができるのです。例えば、よくやりがちな間違いなのですが

「私の趣味はテニスをすることです。」

これを英語にするとしたら、あなたはどう表現しますか?

「私の趣味」とあるからMy hobby is playing tennis.という文がパッと浮かんだかもしれません(これでも間違ってはいませんが)。

でも、先ほどもお伝えしましたが、英語と日本語は別の言語。そのまま直訳はできません。先ほどのように、日本語を噛み砕くと「趣味=好きなこと」と言い換えることができます。

つまり、「自分が好きなのはテニスをすること」と、相手に伝えることになります。その時に、英語の特徴である主語、動詞は何に設定するのかを考えます。その時に、できるだけ人を主語にすることで

I like playing tennis.

とスッキリ表現することができます。相手にもこのほうがすぐに伝わります。

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