英語が話せない原因は「英語力」より「日本語力」だ 「日本語をそのまま英語で表現」の落とし穴

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2、日本語は名詞を、英語は動詞を大切にする

日本語は名詞が主役。英語は動詞が主役といわれています。

「運動不足」。この言葉はまさに名詞ですよね。英語は動詞が主役の言語なので、英語に訳す時は動詞を中心に考えると文が作りやすくなります。

英語は、文章に必ず主語が必要

そして実はここでもう1つ、日本語と違うルールが加わります。それは、「文章に必ず主語が必要」だということ。

例えば日本語で「今日めっちゃ暑いな〜」と誰かが言ったら、この発言している人が暑いと感じていると分かると思います。「今日、私はめっちゃ暑いと思う」なんて主語を入れようとすると、かえって不自然ですよね。でも、英語では必ず主語をつけ、“It’s very hot today.”と表現します。

つまり、英文を作ろうと思ったら、まずは「主語と動詞を何にするか」を考えなければいけないのです。

以上の2つのルールを知った上で、先ほどの「運動不足」という日本語を英語に変換してみましょう。

まず、曖昧な日本語を噛み砕きます。「運動不足」とは、つまり「運動ができていない、足りていない」ということですよね。とはいえ、そのまま「足りていない」「不足している」と考えると、不足って英語で何て言うんだろう? と、また行き詰まってしまいます。

そこでもう一歩深掘りします。「つまりそれって、結局どういうことを言いたいのか」を考えてみると、「今、自分には運動が足りていなくて、身体をもっと動かすことが必要だ」となります。

そしてもう1つ。英語に必要な「主語」と「動詞」、これを何に設定するかです。

ここでは、「私はもっと運動が必要です」と表現できるので、これを英語で表現してみると、

I need more exercise.

と文が作れます。そうです、中学で学ぶ単語ばかり。exerciseだけは中学レベルを超えていますが、「エクササイズ」は日本語でもよくそのまま使われているので、私たちにも馴染みがあると思います。

まさにこの、日本語を噛み砕いてできるだけ簡単な文で言い換えること。これが英会話の上達に欠かせないのです。

「運動不足」という単語、つまり名詞のままで考えてしまうと、これを直訳しようとしてしまうので単語が長く難しくなってしまいます。

それを「私にはもっと運動が必要」と主語、動詞を使ってシンプルに表現すると、簡単に英文を作ることができるのです。

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