「40代後半女性」が仕事を辞めようと思う瞬間 突然「人のために何かをしたい」と思うように

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羽生:それで思い出したのですが、以前に「日経xwoman ARIA」という女性管理職向けのウェブメディアを創刊しました。「ARIA(アリア)」とは、音楽用語で「独唱」。オペラなどで歌手が舞台の真ん中に立って、スポットライトを浴びて独唱する、あのイメージです。

40代後半の年代って、私たちのようにこれまで会社のため、夫のため、子どものため、と「誰かのため」に頑張ってきた人が多い。でも「人生100年時代」と考えると、まだ人生の中間地点。だから、そろそろ「誰かのため」でなく「自分のため」に、舞台の中央に立って高らかに自分の歌を唄ってもいいんだよ――その思いを「アリア」というネーミングに込めたんです。

堀井:すごい! めちゃくちゃ共感。

一時期は何もやる気が起こらなかったという堀井さん(撮影:梅谷 秀司)

40代後半は、人生時計の「11時半」

羽生:私も40代後半のドンピシャの当事者なので、自分にもそう言い聞かせているところはあります。

大学のキャリア講座で講師をしているのですが、学生に「人生時計」の話をしています。1日24時間を100年とすると、1時間は約4年。学生にこれからのキャリアを考えるきっかけづくりとして「自分の年齢を4で割ると、人生時計の自分の時刻がわかるよ」と話しています。

で、ふと私の「人生時計」、いま何時だろう? と思って計算してみたら……まだ11時半なんですよ! 驚くことに(笑)。

堀井:まだ午前中!

羽生:そろそろ15時のおやつも食べ終わって、家に帰ってのんびりしようかな、みたいな気分でいたのに。ちょっと神様、ここから長すぎます! って(笑)。

でも、ものは考えようで、午後の時間がまるまる残っているのなら、これまで経験のないことにいくらでも挑戦できる。四国にお遍路に行ってもいいし、パッと国際線のチケットをとって海外に行ってもいい。そういう行きたい方向に帆を向けるには、正午を迎えようという今の年代はちょうどいいタイミングなのかもしれません。

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