「40代後半女性」が仕事を辞めようと思う瞬間 突然「人のために何かをしたい」と思うように
堀井:「人生時計」には諸説あって、あるラジオ番組に出演したタレントの方は、年齢を「3」で割っていました。50歳を3で割ると17時くらいだから、夕方のニュース観ながらそろそろ晩酌タイム(笑)。でも、祥子さんの「4で割る」説なら、午後からもうひと頑張りできるじゃん! ってポジティブに思えますよね。
――40代後半というのは、50代以降の生き方を考えるタイミングでもあるんですね。
堀井:そうですね。ただ、若い頃のように未来に向かって可能性を広げるというよりも、これまで培ってきた経験やスキル、人脈を使って、ゴールに向かってどうやってきれいに着地していくか。そのために今のこの時間をどう使っていくか。そんな「収束」のほうに入っていくイメージですね。
羽生:まさにそうですね。私はよく「人生の終盤戦を『編集』しよう」と言っています。50代から先の終盤戦は、持てるスキルや人脈、時間を活用して、仕事やキャリアを、もっというと人生そのものを、「編集」していくタイミングでもあると思うんです。
堀井:突然レールが途絶えて「たそがれ」てしまわないように、ですね。
「ねばならない」から解き放たれる
――人生の終盤戦を「編集」するために、40代までの貴重な“午前中”の準備期間をどのように過ごすのが望ましいですか?
羽生:20代、30代の頃は、仕事にしても家庭にしても「have to(ねばならない)」が大半を占めているので、その「have to」に邁進する時期だと思います。でも、40代後半に差しかかるとキャリアも身につき、子育てからも卒業する。そうなったら「have to」から離れて、「人生時計」の午後はやりたいことをやれる方向に全力疾走する。それが、望ましい心の準備なのかなと思います。
堀井:私も、これまでは会社から与えられた「have to」を精一杯やることの繰り返しでしたね。学校の小テストを毎日解いているような。でも、その小テストをコツコツ積み重ねていった結果が、キャリアやスキルとして身についていたって感じです。フタを開けてみたらジャジャジャジャーン! って(笑)。
羽生:小テスト、大事ですよね。
堀井:だから、若いうちは焦ってすぐに成果を求めたり、大きなことを企てようとせずに、目の前の小テストを一生懸命積み重ねていくイメージでいいのかなと。