「40代後半女性」が仕事を辞めようと思う瞬間 突然「人のために何かをしたい」と思うように
羽生:地元を歩いているときにママ友とすれ違ったらしいんだけど、気づかなくて。後からLINEで、「祥子さん、さっき目から水が出てたよ」って(笑)。
堀井:知らないうちに涙が……。
羽生:それを機に、あぁ、仕事を調整しなきゃ、って反省しました。
40代後半ならではの悩みと仕事との向き合い方
堀井:私の場合は、フリーになりたての忙しい時期がちょうど更年期と重なって、何もやる気が起きない。一度ソファに突っ伏しちゃうと動けなくなっちゃう。すべてのことが悲しくなってきて「私なんて……」みたいなモードになっちゃって。
羽生:起業と更年期のダブルは、すごく大変そう……。
堀井:でも、矛盾しているかもしれませんが、仕事があることで逆に救われたところがあるんです。朝8時に収録がある。ツラいけど、行かないと怒られるから、とりあえず頑張って家を出る。現場に行ってみると、仕事のスイッチが入って気分が上がったり、演者さんやスタッフと笑ったり。本当に仕事があってよかったです。
羽生:それって「50歳退社」のノウハウですよね。世の中の同年代の女性は「親」「子ども」「自分」の3枚のカードを手に持ちながら、どうやって“人生のジャングルジム”を乗り切っていこうか考えていますよね。それだけでも大変なのに、そこに体のホルモンバランスの変化と、仕事の波が一度に押し寄せてきたらどうしよう、って悩んでいる方は多いと思うんです。
――確かに、女性の40代後半は、キャリア、体調、家族といろいろと揺れ動く年代ですよね。それって「退社」という決断に影響するものですか?
羽生:美香さんは「50」って数字、意識していましたか?
堀井:私の場合は、単純にキリがよかったというだけで(笑)。
羽生:軽やかですね(笑)。
堀井:でも、仕事もなんとなくやり尽くして、子どもも巣立っていった、というタイミングではありましたね。