「ロボットが自動走行して配達」が日常になる日 ロボと人間の"新しい関係性"とは?

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ロボットを日本社会のインフラにすべく奮闘するロボティクス推進室の取り組みについて、安藤さんが見据える「ロボットと人間が共生する未来」のイメージとあわせて聞いた。

(写真:赤松洋太)

ロボットは「便利」を超え、人間の能力を「拡張」させる存在に

──自動搬送ロボット『ハコボ』の実証実験が話題になりましたが、どのような背景から生まれたロボットなのでしょうか?

開発のきっかけは、20年に起きた新型コロナ感染症の拡大でした。当時はステイホームが推奨され、ネットで買い物をする人が急増しましたよね。

それ以前から物流業界の人手不足は社会課題でしたが、コロナを機により一層深刻な問題として注目されるようになっていました。

そこで持ち上がったのが、搬送ロボットのアイデアです。

人手が足りずパンク状態の物流現場。その負担を減らしながら、非接触での買い物も実現するようなことをロボットで実現できないかと考えたことが始まりでした。

未知のウイルスに技術で立ち向かうべく、ロボットだけでなく、AI、クラウド、通信など当社の複数の部門の技術者たちが集まって、プロジェクトを結成。それぞれが培ってきた知見とエネルギーを結集し、急ピッチで『ハコボ』を開発して、宅配ロボの開発では異例とも言える約半年で公道デビューを果たせました。身内ながら、うちのメンバーたち、スゴイな!と思いました。

(※)パナソニックが開発した安全に止まるために必要な制御システムは、パーソナルケアロボット(生活支援ロボット)に必要な国際安全規格に業界で初めて適合(参照
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