「この20年は本当に長かった」
昨年11月で娘が20歳になったんですよ。今はカナダの大学に通っているので、夏休みに帰国したときに振袖を着せて、家族で食事をしました。真夏に振袖を着て汗をダラダラかいている娘の横で、私は一人で涙ボロボロ。「この20年、本当に長かったな」って感慨に浸って思わず号泣してしまったんです。海外で暮らしていたこともあって、彼女には七五三もしてあげられなかった。だから成人式はきちんとしたかったんです。
――結婚してカナダに渡った後、カナダの通信会社でワーキングマザーとしての第一歩を歩み始めた。その後、シングルマザーとして母娘でニューヨークに渡る。子育てをしながら今のキャリアを積んでこられるにあたっては、相当な苦労があったのでは?
20歳を迎えて「ようやくここまで来たか」って思えました。本当に大変だった。でもね、彼女は企業でインターンシップも経験して、今、私から仕事の話を聞くことにとても興味を持ち始めている。2人で大人の女性の会話ができるようになったんです。ワインを片手にね。なんて楽しい時代が来たことでしょう!
もちろんあの頃は、こんな日が来るなんて想像もしていませんでした。負い目を感じながら、悲しい経験もたくさんして、もうボロキレのようでした。仕事に忙しい私を見ていた娘は「ママは大変なんだから、文句を言ってはいけない」と言いたいことを溜め込んでいたのかもしれません。精神のバランスを崩してしまった時期もありました。反抗期には「母の日なんて大嫌い」なんて言われたこともありましたね。
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