あの財界幹部が「11センチヒール」を履くワケ

驚嘆!吉田晴乃のブルドーザー人生

――今回は経団連初の女性役員として大きな期待を背負っている。

実際の仕事は6月からなので、これから自分の役割を見つけなければなりません。でも、最初から完成版である必要はないのかもしれません。大切なのは、こうやって日本は変革をしていくんだという過程なんだと思います。そして、大事なのは私が「私であること」。いいことも悪いことも全部含めて。ほかの幹部のみなさんにはない私だけのビューポイントがあるはずですから。もちろんプレッシャーはあります。榊原(定征)会長には「みんなでサポートしますから」と言っていただきました。私にはもうその一言にすべてが詰まっていると感じました。

――吉田さんならではのビューポイントとは?

日本、カナダ、ニューヨーク、そしてまた日本。太平洋を往復しながらブルドーザーのように生きてきました。昔から、自分は型にははまらないタイプだという自覚はありましたが、仕事がおもしろいという一心で走り抜いてきました。日本には、女性という意味でもそれ以外の生き方においても、画一的すぎてサンプルが少ないように思います。いいか悪いかはおおいに議論の余地がありますが、私の生き方が一つのめずらしいサンプルとして提示できるのではないでしょうか。

私たちの時代は、4年制の大学を出てすぐに就職しなければもうそこで道を外れてしまうんです。男女雇用機会均等法の施行によって女性の総合職もできましたが、あれは優秀な人たちのもの。私なんて成績が悪かったので、親のコネクションで会社を決めるしかありませんでした。ところが、その後に大病をしたために、内定が取り消されてしまった。もうこうなったら完全にオフロードです。それだったら自分でキャリアをデザインしていこうということになりました。そこから先は、本当に頑張って自分なりのステップを積んできました。

思ったことをきちんと発言する勇気が大切

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モトローラ時代にこういうことがありました。女性のトップエグゼクティブが来日した際に「あなたもついていらっしゃい」と言われて、日本のエグゼクティブとの会食に参加したんです。その席上で私、こういう発言をしたんです。「モトローラのいかつい大きな携帯電話、とてもかっこ悪いと思います。私の小さなバッグにも入るくらいコンパクトで、もっとカラフルな携帯電話があったら、みんなが使いたいと思うんじゃないかしら」って。おじさま方は失笑しました。「何を言っているんだ君は?」って。でも今はその通りになりました。

これまでになかった視点を提供するというのは本当に必要なこと。それには勇気がいります。一生懸命考えて心の底から「そうだ」と思ったことをきちんと伝えることが大事です。

日本の社会もこういうことを忘れてはいけないと思っているんです。一人ひとりにふっとわく発想を殺してはいけないって。何十年も先には、それが当たり前になっている可能性は十分にあるのだから。誰もが勇気を持っていろいろなアイデアを出せるような世界にならなければなりません。今はまだいろいろなことがカタい。それを変えていかなければいけません。

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