奈良県知事選で大ピンチ、高市氏に吹く逆風の正体 維新に敗北なら初の女性首相候補「失格」の声も

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もともと、自民県連は前回の選挙まで荒井氏を推薦してきたが、「高齢と多選反対」を理由に、今回は平木氏に乗り換えた。県連幹部は「党本部が多選はだめだというので、高市氏が平木氏を連れてきた。県連内部でも若くてフレッシュな候補でなければ維新に勝てないとの意見が圧倒的だった」と経緯を説明。最終的に県連から一任された高市氏が平木氏推薦を決めた。

これに対し荒井氏は、県連決定を受けて報道陣に、「自民の推薦がなくても立候補する」と断言。1月27日に奈良市内のホテルで開催した、事実上の決起大会ともなる政治資金パーティーには、奈良市長をはじめ複数の自民系の首長、県議らが参加、荒井氏は「奈良の発展のために今後もお役に立ちたい」と訴えた。

古賀氏の腹心で二階氏とも親しい現職の荒井氏

荒井氏は運輸省(現・国土交通省)のキャリア官僚から参院選奈良選挙区に出馬して初当選、参院1期目の最後に知事に転身した人物。参院時代は宏池会(現岸田派)に所属したことで古賀誠元幹事長の腹心となり、「運輸省のドン」と呼ばれた二階俊博元幹事長ともきわめて親しい関係だ。

荒井氏は出馬表明に先立ち昨年末に二階氏と会談した際、「ぜひ頑張ってほしいと激励を受けた」と吹聴。古賀、二階両氏を後ろ盾に、県連の平木氏推薦をひっくり返そうと、水面下で党本部に働きかけ、茂木敏充幹事長や森山裕選対委員長も「どっちつかずの態度」(自民選対)を決め込んでいるとされる。

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