イオン、「WAONと共通ID」で狙う経済圏戦略の全貌 アプリ決済も導入、小売りデータを有効活用
「ウエルシアメンバーならダブルでたまる!」
2月初旬、東京都新宿区にあるドラッグストアのウエルシアの店舗には、壁や棚、レジなどあらゆる場所に、こんなポスターやPOPが貼られていた。ウエルシアで買い物をすれば、TポイントとWAON POINT、2つのポイントを同時に貯められることをアピールしたものだ。
ウエルシアはイオングループの一員。本来であれば、イオングループのポイントプログラムであるWAON POINTがメインのはずなのだが、これまでTポイントしか利用することができなかった。それが1月24日からポイントプログラムが変更され、ウエルシア全店で順次WAON POINTも使えるようになったのだ。
【2023年3月2日17時55分追記:WAON POINTが使える時期について、上記のように修正しました】
着々と進むポイントの共通化
これは、イオングループが2021年から進めている「ポイント共通化戦略」の一環だ。
イオングループはこれまで、さまざま企業の買収を重ねて拡大してきたという経緯があり、グループ全ての企業でWAON POINTが使えるわけではなかった。ウエルシアのように外部のポイントプログラムを導入している企業や、独自のポイントプログラムを構築している企業などばらばらだったのだ。
ポイントプログラムの目的は顧客の囲い込み。しかし、ばらばらのプログラムが存続していてはその目的を果たせない。そこでイオンは、ポイントの共通化に乗り出したわけだ。
その結果、イオンが展開するスーパーはもちろん、自転車販売店、
きっかけはイオンカードでWAON POINTがたまる形に変更した2021年のこと。それまで、イオンカードでは「ときめきポイント」というWAON POINTとは別のポイントが貯まる形になっていた。
だが、ときめきポイントは、どれだけ貯めても金券や商品、そしてWAON POINTなどと交換しなければ使うことができず、いかにも使い勝手が悪かった。そこでイオンフィナンシャルサービス(イオンFS)はときめきポイントを廃止し、WAON POINTがイオンカードでも貯まる制度に変更したのだ。
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