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机に置かれたスマホ
机に置かれたスマホを目にするだけで集中力は落ちてしまうのです(写真:freeangle/PIXTA)

集中して学びたいときは、できるだけスマホには別の部屋で休んでもらうのがいいでしょう。

もし難しい場合は、バッグや戸棚に入れるという方法があります(グループBは、グループAより成績が上でした)。その際、ストップウォッチや時計を面倒でも別に用意するだけで、私たちの頭の働きは違ってきます。

結局、「音読」は記憶定着の効果が高い

「『見る』よりも音で『聞く』ほうが覚えやすい」

こういう方は多いはずです。

講師やプロの声優さんが吹き込んだ「聞き流し」音声教材はとてもはやっています。

私自身も、カセットテープの時代から音声教材を利用していました。

たしかに音声学習はとても有効です。

そのうえで、あくまで何かをきちんと覚えたい場合は、もうひと工夫、おすすめの方法があります。

2018年、ウォータールー大学の研究チームは興味深い実験をしました。

75名の参加者に、160語の単語を声に出して読んでもらい、音声サンプルを録ります。

2週間後、その半分の80語について次の4通りの方法で記憶してもらいます。

【学習条件1】音読する
【学習条件2】自分が読み上げた音声を聞く
【学習条件3】他人が読み上げた音声を聞く
【学習条件4】ただ黙読する

その後、記憶力テストをしたところ、正解スコアの順位は次のようになりました。

1位【学習条件1】音読する 0.77
2位【学習条件2】自分が読み上げた音声を聞く 0.74
3位【学習条件3】他人が読み上げた音声を聞く 0.69
4位【学習条件4】ただ黙読する 0.65

すなわち、「自分で音読すること」が最も記憶力を高めたのです。これを「プロダクション効果」と言います。

なぜ、このような現象が起きるのでしょうか?

簡単に言えば、記憶を引き出すときの「ひっかかり」が多いからです。

音読という行為には、次の3つの要素があります。

・実際にその場で口を動かして、発話する「運動」要素
・その場で自分の声を耳にするという「聴覚」要素
・そして自分のなかのものを外に出して確認をするという「自己参照」要素

これらの要素は、黙読にはいっさいありません。

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