偉大なる兄・秀吉を陰で支え続けた「名もなきNo2」 豊臣秀長に学ぶ、見事なまでの"金と人"の掌握術

秀吉がひろげた大風呂敷を見事にたたみ、確かな形にしたのが秀長だという(写真:Hiroshi-N/PIXTA)
「仕事ができる人」「確実に結果をたたき出す人」とは、一体どんな人物を指すでしょうか? ノンフィクション作家の中野明氏が、今から遥か遠く戦国時代にその明確な答えを出した人として挙げるのが「豊臣秀長」です。
なぜ天下取りのヒーローである兄の秀吉ではなく、いまいち影が薄い存在の弟・秀長なのか――。中野氏が「仕事ができる武士」と評価する秀長の実像を、同氏の著書『図解 豊臣秀長「No2」の仕事術: カリスマ秀吉の「右腕」に学ぶ超一流の戦略展開スキル』から、一部を抜粋・編集してお届けします。
名もなき「No2」の生涯にビジネスを学べ!
秀長様は関白殿下が、いまだ藤吉郎と名乗り、尾張から出て諸所で合戦していた頃から、関白殿下にしたがって、兄・弟の道を貫いてこられた、まことに信義の道に厚い御仁である。
胆略があり、事に動じることがなく、また、数々の武功はあっても決して驕ることのない方で、いつも秀吉様を助けて今日まで、具足を解く間もないほど尽くしてこられた――。
この文章は戦国時代の古文書類を底辺に集成した『武功夜話』からの現代語訳です。文中に見える「秀長様」とは本稿の主人公・豊臣秀長であり、「秀吉様」とはいうまでもなく豊臣秀吉を指しています。誠に簡潔ではありますが、この文章は秀長の生涯を的確に表現しています。
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