「たべっ子どうぶつ」に大人が熱狂する5つの理由 かわいい顔して「戦略的かつ地道に」売ってきた

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今、たべっ子どうぶつを販売する、株式会社ギンビスは過去最高益を上げ続けています。

株式上場をしていないので売上は非公開なのですが、たべっ子どうぶつブランドとしては、「2年連続で、前年比で大幅2桁増収。その結果、2022年度は2020年度の180%強という数字」(関係者談)と、かなり力強い成長を続けているよう。しかも、菓子販売の好調のみならず、ポップUPショップやライセンス事業もまた絶好調なのです。

なぜ今、こんなにもたべっ子どうぶつは好調なのでしょうか。以下、5つの理由に沿ってひもといていきたいと思います。

1.地道に販売チャネルを広げてきた
2.3世代に手に取ってもらう工夫
3.IPビジネス面での躍進
4.コロナという外部要因
5.レトロブーム、推し文化なども後押し

販売チャネルを地道に広げてきた

理由の1つ目は、「地道に販売チャネルを広げてきた」こと。

例えば、スーパーなどで販売している「連菓子」。小袋のお菓子が縦に何連かつながっている、お子さんのおやつや食べ過ぎ防止にもなるサイズ感が人気です。この連菓子、スーパーで売っているものと100円均一で売られているものと少し仕様が違うのは、お気づきでしょうか。

左がスーパー用、右が100均用。ちなみに、その形状から通称「カレンダー」とも呼ばれています(筆者撮影) 

ん? キリンさんが気持ち小さいような……。実はスーパーのは5連、100均用のは4連なのです。

ん、それだけ? いえいえ。100円均一という業態で販売するために、100均用に作ったのがこの4連のカレンダー。単位はご想像にお任せしますが、これで年間売上、指1本にもなるんだとか。かわいい顔して、きりんさんも戦略的というわけなのです。

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