「たべっ子どうぶつ」に大人が熱狂する5つの理由 かわいい顔して「戦略的かつ地道に」売ってきた
ただ一方で、中長期になると、財布のひもを握る母親の考えが購入に大きな影響を与えていく面があります。ポテトチップスやチョコレートおせんべいなどさまざまなお菓子がある中、子どもの健康にも配慮したい。腹持ちの良いものを買いたい。価格も考慮したい。できれば子どもが好きなものを買ってあげたい……そんな、お母さんたちの厳しい消去法を経て、最後に残るのがビスケットなのです。
また、英語がプリントをされていたり、カルシウムが配合されていたりと、知育にも健康にもいいのも、たべっ子どうぶつの特徴。ビスケットの中のビスケットとして、母親の厳しい選択眼をも潜り抜け、勝ち残ってきました。不安で心がざわつく中でも、たべっ子どうぶつはお客さまの心を癒し、楽しませ、元気づけてきたのです。
さらに、昨今の「昭和レトロのブーム」や「推しの文化」なども、たべっ子どうぶつ人気を後押ししたようにも思います。これが理由の5つめです。たべっ子どうぶつのロゴの字体を見ただけでも、昭和のなつかしさを感じさせますよね。
たべっ子どうぶつのファンには、らいおんくん推しやかばさん推しなどの「キャラクター推し」の人もいて、アイドルさながらそのキャラクターのグッズを集めたり、写真を撮ったりと、いわゆる「推し活」にもつながっているのもポイント。このへんは、3つめの「IPビジネス面での躍進」も影響していますね。
たべっ子どうぶつは今も昔もたべっ子どうぶつなのですが、結果的に今の流行が、彼らに追い付いてきたのです。
たべっ子を製造するギンビスとは?
たべっ子どうぶつを販売する株式会社ギンビスは、1930年に墨田区に宮本製菓として創業しました。和洋菓子を製造卸し、途中戦災にて工場などを焼失するも復旧。さらには中央区銀座一丁目に営業所を開設し、名称を「銀座ベーカリー」と改め、同時にレストラン銀座店を開店しました。
「銀座でおいしいビスケットを作る」ということで、「銀座」+「ビスケット」。これが社名の由来です。
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