有料会員限定

郵政グループの裏組織「全特」の異様さに内部からも悲鳴。メンバーは地方での「大集会」に自腹参加、選挙運動に過酷なノルマ

✎ 1〜 ✎ 84 ✎ 85 ✎ 86 ✎ 87
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
札幌ドーム郵便局長会(全特)のイメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)
【情報提供をお願いします】東洋経済ではあなたの周りの「ヤバい会社」「ヤバい仕事」の情報を募っています。ご協力いただける方はこちらへ。

郵便局の局員(30代)からタレコミがあった。

「社内サイトに局長の悲鳴が掲載されて、話題になってます」

日本郵便の社内ネットに、意見や要望を書き込むコーナーがある。

郵便局長さん、何て書いたの?

「毎年、局長が集まる総会があるんですよ」

はいはい、ありますね。巨大会場を借りて、全国の局長が集まるやつね。私も潜入したことがある。

「今年は札幌ドームでやるんですよ。1万人を集めて」

マジか……。

「で、参加費が20万円するって」

えっ。それ自腹?

「そりゃそうですよ」

きついっすね。

「投稿した局長は、『高すぎる』って激怒してます」

だろうなあ。

「しかも、参加は半強制ですからね。局長いわく、借金やギャンブルに走るヤツが出てくる、と。犯罪が起こりかねないって」

犯罪……。ま、あながち誇大表現ではない。

だって局長の事件、多すぎるでしょ。金庫のカネや切手を横領したり、酒気帯び運転、盗撮……。毎年のように新聞ネタになる。

で、局長会に出席するカネを捻出するために犯罪ってか!

この集会は「全特総会」と呼ばれる。「全特」とは、全国特定郵便局長会の略称だ。かつて、地元の名士が自宅の敷地内に郵便局を建てて局長をやっていた。国家公務員であり、国から局舎料も受け取り、さらに地域活動などのため巨額の「渡切費(わたしきりひ)」(前渡しの経費)を貰(もら)っていた。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD