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全特と日本郵政の歪んだ関係、その中で生じた不適切販売/『ブラック郵便局』宮崎拓朗氏に聞く

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『ブラック郵便局』著者の宮崎拓朗氏
[著者プロフィル]宮崎拓朗(みやざき・たくろう)/西日本新聞記者。西日本新聞社北九州本社編集部デスク。1980年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。2018年に日本郵政グループをめぐる取材、報道を始める。「かんぽ生命不正販売問題を巡るキャンペーン報道」で第20回早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。(撮影:曽根香住(新潮社写真部))
福岡県に拠点を置く有力地方紙の西日本新聞。そこで20年近く記者を務める著者は、日本郵政グループの抱える根深い問題を暴き出した。関係者の声を集め、緻密な取材によって組織の病巣に迫っていく様子は圧巻だ。
ブラック郵便局
『ブラック郵便局』(宮崎拓朗 著/新潮社/1760円/240ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──郵便局員による不適切販売の実態を暴きました。きっかけは何だったのでしょう。

2018年のかもめ〜る(日本郵便が販売した暑中見舞い用のはがき)に関する記事が最初だった。郵便局員に過剰な販売ノルマが課され、自腹ではがきを購入して金券ショップで換金する局員もいた。

その後、かんぽ生命保険の保険販売で保険料を二重に支払わせるなど、おかしな契約が数多く存在していることもわかった。

──自腹契約など普通では考えられない事態も起きていました。

ノルマを達成できなかった人が懲罰研修のような場に呼ばれて土下座しろと言われたり、離れて暮らす家族の生活を見守る「みまもりサービス」では、局員が同居する自身の家族を見守り対象にする自腹契約が行われたりと、おかしなことが当たり前になっていた。

みまもりサービスでは、ノルマに比例するように局員による契約が増えていき、会社側は無意味な自腹契約を疑ってもよかったはずだが、数字が上がるならいいという感じだったのだろう。

──会社側は記事の指摘に対してどのように反応しましたか。

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