備蓄米を放出したのに高すぎる…コメ価格高騰がいつまでも終わらない根本原因

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(写真:ブルームバーグ)

18週間ぶりにスーパーなどで売っているコメの価格が下落したが、翌週には再び上昇。相変わらず昨年の2倍以上の価格で取引されている。

長引くコメの価格の高騰が庶民の家計を苦しめているわけだが、特別に大きくコメの生産量を減らしてしまうような、強烈な風水害があったわけでもない。地震などの天変地異があったわけでもないが、コメ価格は例年の2倍以上を超える価格で高止まりしている。

確かに、2023年には気候変動による異常気象から、コメの収穫量が大きく減ったとはいえ、「令和のコメ騒動」と呼ばれるまで、供給量が減ったとは考えにくい。政府もずっと静観を続けてきたものの、今年に入ってから重い腰を上げて「備蓄米」を放出するなど、対応したものの、コメは依然として高止まりしたままだ。

コメの価格高騰は、連日新聞やテレビで報道されているが、コメ価格高騰の理由が、いまひとつ不透明で曖昧としている部分が多い。なぜ、コメ価格はこんなにも上昇したのか、そして今回のコメ価格高騰が他の食料品に及ぶことはないのか。

大半の食料やエネルギーを海外に依存している日本にとって、コメ以外の食料も同じようなパターンで高騰することは無いのか。令和のコメ騒動について考えてみたい。

コメ価格高騰のメカニズム

これまでの報道では、2024年の夏以来、コメの供給量が不足し、コメ価格が高騰したとされている。統計から推測すると、少なくとも昨年11月から17万トン、茶碗26億杯分のコメが市場に出回らずに「行方不明」になっているという。コメの価格は需要と供給によって決まるとされ、コメ不足の背景には何があったのか。

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