私は、みつおの相談室に“お断り”で出したのだが、みつおからは、“交際希望”がきていた。
20代ならいざ知らず、40歳を過ぎた男が1500円の女性のお茶代を出し渋る。それがみつおにとって格好悪いことでなく、当たり前の感覚だったから、割り勘にしても何の問題もないと考えたのだろう。ただ、会計のときにあんなやりとりがあったら、ほとんどの女性はようこと同じように、“心地よくない”と感じるはずだ。
また、ある男性会員からは、こんなことを言われたことがあった。
「お見合いの段階では、相手と付き合うかどうかわからないですよね。お付き合いに入って、デート代や食事代を出すのはいっこうに構わないのですが、まだどうなるかわからない相手のお茶代を男が払わないといけないというのは、なんだか納得できないんですよね」
「なかには、一目見て僕が気に入らなかったのか、お見合いの間中、ムスッとして無愛想な女性もいる。そうした人のお茶代も男が払わなきゃいけないというのが、解せないんですよね」
その気持ちもわかる。ただ、結婚相談所のお見合いは、昨今の婚活アプリとは違って、古くからの日本のしきたりを引き継いでいるところがある。男性が女性のお茶代を払うという暗黙の了解事項は、急に変わったりせずにこのまま続いていく気がしている。
そんななかで、「お付き合いするかどうかわからない男性に、お茶代を出していただくのは気が引ける」という女性もいる。そういう人たちには、「お茶代の代わりに、小さなお菓子などのお土産を持っていったらいいんじゃない?」と、私はアドバイスしている。
「交際終了」なら使った金を返せ
では、交際に入ってからはどうなのか?
最近は男性6、女性4の女子割にしたり、男性が食事代を出したら女性がその後のお茶代や映画代などを出したりと、女性もなんらかの形でお金を出すようになってきている。
もちろん、デート代や食事代のすべてを支払っている男性たちもいる。そんな男性たちが決まって言うのは、「払うことはいっこうに構わないのだが、お財布を開こうともしない。おごってもらって当然という顔をされると、イラッとくる」と。
ことに、お見合いからお付き合いに入り、その後数回のデートを重ねた女性――そのデート代を全額負担していたにもかかわらず、女性から“交際終了”が来ると、落胆が怒りに変わる男性もいる。
これは、相談所での話ではないのだが、以前、私の女性会員のやよい(34歳、仮名)が相談所と並行して、無料の婚活アプリでも活動をしていた。婚活アプリで、年収1500万円でタワーマンションに住む自営業者の男性と知り合い、交際になった。
「おしゃれなお店も知っているし、デート代もすべて払ってくださっています。やっと理想の男性に出会えたと感じています」
そう言っていたのだが、交際を進めていくうちに上から目線の物言いやモラハラ発言が気になるようになった。男女の関係にもなったようだが、その行為も自己中心的で女性への思いやりや優しさに欠けていた。
そこで、「もう交際は辞めたい」とLINEで告げたようだ。すると即レスが来た。
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