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「納得できる仕事がない」60歳キャリア迷子の苦悩 どの世代でもキャリアに悩む人が増えている訳

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大手広告代理店の過労自殺事件によって、過労や長時間労働の問題が社会で大きな関心ごとになりました。長時間労働の結果、うつ病を発症し、自ら命を絶ってしまったという心が痛む出来事です。長時間労働が続くと、睡眠不足とストレス・疲労の蓄積により、心や身体の調子を崩してしまいます。

近年、政府による働き方改革により、長時間労働の是正が推進されています。企業側もさまざまな施策を講じていますが、その取り組みが成果をあげている企業は多くなく、依然として働きすぎが原因でメンタルヘルス不調を抱える人がいなくならない現状があります。

また、これは雇われる側も、自身の心身の健康よりも仕事を優先し、無理して頑張りすぎてしまっているということでもあります。私はキャリア迷子の人たちと接しているうちに、いまの社会の風潮というのも、多くの人を苦しめる一つの原因になっているのではないかと考えるようになりました。

頑張らないといけない、という思い込み

世間には、「生産性を高めなければならない」「つねに上昇志向で、社会的成功を目指さなければならない」といったメッセージがあふれすぎるくらいにあふれています。

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テレビや新聞、雑誌、書籍などのマスメディア、SNS や動画サイトなどでも、「成功する方法」「うまくやる方法」「年収アップする方法」など、いかに効率よく、他人より抜きん出ることができるかということに言及されるものが多いと感じます。

現時点で自身のキャリアについて大きな悩みがなく、しかも自ら望んで成功やキャリアアップを選ぶタイプの人には、そういった情報も役に立つのでしょう。また、そういう人なら、適度なプレッシャーを受けることを心地よく感じられるかもしれません。

しかし、社会的な成功や出世にはあまり興味がないような人、あるいはさまざまな事情により断念しなければならないような人であれば、職場のムード、上司の命令、あるいはもっとあいまいな世間の〝空気〟のようなものにあおられて、成功を目指さなければならない、そのために努力し続けなければならない、とつねに追い立てられていたら、どうしたって心は疲れてしまいます。

これまで紹介してきたさまざまなキャリア迷子のケースを見てもわかるように、仕事に専念できる環境が定年まで保証されているという人はまずいません。それにもかからず、うまくいっていないのは本人の頑張りが足りないせいだとでもいうような世間の風潮は、キャリア迷子を生む一つの原因となっているといえるでしょう。

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