仕事のできるいい人ほどハマる「我慢」のワナ 頼りにされる人ほど無意識の我慢に気づかない
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人間関係をつくるなかで、言いたいことを我慢したり、自分の思いを抑え込んでしまったりする人は多いでしょう。そんな方におすすめなのが、「自分も相手も大切にする自己表現」である、「アサーション」です。アサーションとは、「自分の言いたいことを大切にして表現する」と同時に、「相手が伝えたいことも大切にして理解しようとする」コミュニケーションのことを言います。
本稿では、日本におけるアサーション・トレーニングの第一人者である平木典子氏が、アサーションの基本の考え方から実践方法まで紹介した『言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション』より一部を抜粋のうえいつか爆発する「無意識の我慢」を自分自身で見つける方法についてお届けします。
能力のある人ほど、無意識の我慢をためている
本当は引き受けたくないけれど、断りにくくて我慢する。もめるのは嫌だし、生意気だと思われたくないから「思い」を抑えて我慢する。このような我慢や抑圧は、それと気づいている分、まだましかもしれません。
問題なのは、我慢に気づいていない我慢です。積極的にやりたいわけじゃない。でも、やってやれないこともない。それならひとつ、やってしまうか……。こういうスタンスでどんどん仕事を引き受けてしまう人は、実は我慢のストレスを無意識のうちにためています。
このようなタイプの人は、そもそも能力の高い人です。頼まれた仕事はそつなくこなす。1時間かかる仕事も、30分で片付けてしまう。普通なら「もう無理です」と音を上げるところを、能力が高いゆえに引き受けられる。そのため、次から次へと仕事をふられ、休む間もなく仕事するはめになった結果、気づかない我慢を蓄積していきます。
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