大学1年生からきちんと将来のことを考えておられるのは、非常にすばらしいと思います。卒業が近くなったり就職活動を開始したりというタイミングになってから、慌てる人が多いですから。
さて、りんごさんからは、司法試験に合格することを前提に、いくつかの質問をいただきました。
まず、司法試験にかかわらず、「資格を取れば一生安泰」という時代ではありません。その背景をひと言でいうと「需要を上回る供給が存在するから」に尽きます。有資格人口が需要に対して不足していた時代は、資格取得と同時に仕事がほぼ保証されていましたが、現在はそうではないのです。
そのため司法試験だけではなく追加で何かを、という思考回路もわからなくもありません。むしろそう考えるのが普通なのでしょう。ただし、プラスアルファまで手を回すには、よほどの覚悟が必要です。そして、資格取得だけでなく、その取った資格をどう生かすのか、という視点が非常に重要になってきます。
資格取得が目的になっていないか?
ご質問の中で若干気になったのですが、りんごさんは、ひょっとして資格取得が手段でなく目的となっていませんか、という点です。
弁護士といってもその仕事はさまざまで、専門分野がたくさんあります。どの分野に興味を持っているのでしょうか。その分野(企業ファイナンスであれM&Aであれ)を見極めたうえで、その分野で通用するプラスアルファを同時に挑む、という考え方はありえると思います。
何はともあれ、「使える実務を積む」ということがキャリアの最初だけでなく、その後の法曹界における人生を左右する大きな要素であることは確かです。
そう考えると、どこの事務所に入れるのかが、まずは非常に大きな関門となります。供給が需要を上回る状況ですから、一般の就職プロセス同様にファーストステップである「書類で目立つ」に加えて、「面接で目立つ」の2つの視点で対策が求められます。
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