《プロに聞く!人事労務Q&A》震災で従業員を休ませた場合、賃金の支払はどのように取り扱えばよいのでしょうか?

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(1)計画停電により会社が業務停止せざる得なくなくなり、それを理由に休業した場合には、その停電による休業中につき、休業手当を支払う必要はないとしています。

(2)計画停電の前後の休業については、「他の手段の可能性、使用者として休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業することが企業経営上著しく不適当と認められるときには計画停電以外の時間帯も使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しない」として、計画停電中の休業及びその前後の時間の営業が現実的に困難な場合には、停電時間帯以外の休業についても休業手当を支払う必要はないとしています。

(3)計画停電が予定されたので休業としたが、計画停電が実施されなかった場合については、その休業部分について、休業手当を支払う必要はないとしています。 このように今回の震災に伴い、今後、厚生労働省から新たな取り扱い通達が出ることも予想されます。

具体的には、通達等が出された場合にはそれを踏まえて適切な措置を講ずるべきでしょう。

なお、今回の震災に伴う休業及び交通事情等による一部休業等は、会社側又は従業員のいずれにも責任はないものと思われます。それによって一部賃金が控除するなどの措置は必ずしも好ましい措置とは言えないでしょう。会社の財政状況等をも踏まえて、できるだけ労使間で十分に話し合い、未消化の年次有給休暇を一部充当するとか、一定日数の特別有給休暇を設けるなどにより、この危機的状況を乗り切るべきかと感じます。

石澤清貴(いしざわ・きよたか)
東京都社会保険労務士会所属。法政大学法学部法律学科卒。日本法令(人事・労務系法律出版社)を経て石澤経営労務管理事務所を開設。
商工会議所年金教育センター専門委員。東京都福祉サービス第三者評価者。特に労務問題、社内諸規定の整備、人事・賃金制度の構築等に特化して業務を行う。労務問題に関するトラブル解決セミナーなどでの講演や執筆多数。


(東洋経済HRオンライン編集部)

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

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