「不人気な業界」に入る新入社員が見落とす視点 ライバルも少なく、頭角を現わせるチャンスだ

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したがって、どんな仕事をするか、それが職業や業界として成長しているのか否かは、職業人としての一個人としての成長や将来性、またはどんな人生を送れるかとは、直接的には関係ないと考えたほうがよいでしょう。

さて、話を将来性のなさそうな不人気な業界に就職したヒトとして、その現実とどう向き合い、どのようなスタンスで臨むべきか、という本題に戻しますと、冒頭で申し上げた通り、それでも職業人としての成長や将来性にプラスとなる要素は非常に多いと思います。

いくつか例を挙げますと、例えば医療業界については、この先も絶対になくならない業界であるばかりか、むしろ大きなイノベーションが期待できる産業だと思っています。

詳細は割愛しますが、ご存じの通り医療業界においてはITやAIといったデジタルの要素が非常に遅れている状況です。

そして今後の需要増に対して人出不足がより深刻化する可能性が大いに考えられます。

そのようなことを考えると、近年言われているDXを含めたデジタル化や、それ以外にもさまざまな規制緩和により大きく変わる可能性のある産業だと思います。

そして旧態依然とした産業が何かしらの新しい要素(ここではデジタル化)で変わるときは、これからそこで働くヒトにとっては、その新しい知識で勝負できる、という意味においてチャンスなのです。

医療の知識や経験では当然先輩社員には敵わないでしょうが、その業界に長いヒトが不案内の知識(ここではIT系の知識)を先に身につけてしまえば、違った土俵で勝負できる可能性も高まるというものです。

業界で唯一無二の存在を目指せる

TSさんは専門性、というところに着眼して医療業界を選ばれた、とありますが、この先「医療の知識×デジタルの知識」という掛け算でより高度な専門性を身につけ、業界や院内において唯一無二の存在を目指す、というのも一考に値すると思います。

もちろんここでは例えば、という話でデジタル、と言いましたがそれに限った話ではありません。中国語なんかの語学でもよいのです。

要は、全体としてたとえ成長が見込めない業界や会社であっても、今後想定されるいちばんの変化の最先端に身を置くことで、周りにない成長を得られる可能性は大いにある、ということです。

そしてもう1つ。

まず不人気、という時点でそもそもライバルが少ないということでもありますから、頭角を現すチャンスも大いにある、ということです。

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