【老眼】「メガネがつらい」という人に伝えたい事 「遠視でずっと裸眼」は将来、認知症のリスクに

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メガネ選びにおいて梶田医師は、手元が見える専用の老眼鏡でなく遠近両用メガネを勧める。それは、老眼鏡のように、かけたりはずしたりする手間が省けることのほかに、最新鋭の遠近両用メガネはその進化により、もはや「老人のメガネ」という概念にはないからだという。

「近年は、1枚のレンズに遠くも近くも中間距離にも焦点が合うように、複数のレンズの機能をまとめた高性能の遠近両用レンズが普及しています。レンズは薄くて境目もなく、老眼用レンズと周囲に悟られずに使うことができます」(梶田医師)

遠近両用コンタクトレンズも進化している。近くも中間距離も遠くも薄い1枚のレンズで快適に見える設計になっている。左右の目の度数差が大きい場合や強い乱視がある場合などはコンタクトレンズのほうが調整しやすいという。

子どもでも自分でコンタクトレンズの出し入れができれば、使用は可能だ。7歳ぐらいから自分で着脱をして使っている子どももいるという。

「弱視のお子さんは視力の発達を促すために、かなり早くからコンタクトレンズの使用を勧めています。視力の発達は9歳頃に終わるため、できれば早めに1歳ぐらいから大人が着脱をして着けてあげたほうがいい。視力の発達もメガネよりコンタクトレンズのほうがいいとされています」(梶田医師)

子どもでもメガネやコンタクトで視力を調整すると、「見えやすくなった」「疲れにくくなった」など、大人と同じような感想を話すという。

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一度作った遠近両用メガネもコンタクトレンズもずっと使えるわけではない。老眼の進行が止まる60歳頃までは、自分の目の変化に合わせて定期的にレンズを作り直す必要があるという。3年に一度程度は眼科医を受診してチェックを受けると安心だ。

快適に見えることは、QOL(生活の質)を上げるだけでなく、認知症予防など人生100年時代に健康寿命を延ばすことにもつながる。手元の見えにくさを感じたら、頑張りすぎずに、早めにメガネやコンタクトレンズを検討したい。

関連記事:【老眼】40代で発症、進行を緩やかにする対策5つ

(取材・文/石川美香子)

梶田眼科院長
梶田雅義医師

1983年、福島県立医科大学卒業後、カリフォルニア大学バークレー校研究員などを経て、2003年に梶田眼科開業。東京医科歯科大学医学部臨床教授、日本眼光学学会理事、日本コンタクトレンズ学会常任理事の経歴があり、現在も日本眼鏡学会評議員などを務める。全国から多くの患者さんが訪れ、テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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