日常生活において、目の疲れを訴える人は多いが、通常、目の疲れは1日寝れば回復する場合が多い。
横井さんによると、このような一時的な目の疲れを「眼疲労(疲れ目)」と呼ぶ。対して、休養や睡眠をとっても、目の疲れが取れずに慢性的になった状態を「眼精疲労」というそうだ。後者の場合は眼科を受診したほうがいいという。
眼精疲労が起こる原因とは?
目の疲れの多くは、「目を酷使」することで起こる。
私たちはモノを見る際、毛様体という筋肉が水晶体の厚みを調節してピントを合わせている。遠くを見るときには毛様体がゆるむことで水晶体が薄くなり、反対に、近くを見るときは毛様体が収縮して水晶体が膨らむようになっている。
「眼精疲労の原因はさまざまですが、最近では、VDT(Visual Display Terminals 画像情報端末)症候群といって、パソコンを使う業務を日常的に行っている状態が原因のことが多いです。また、メガネやコンタクトレンズが合わないことも原因となります」
横井さんが注視しているのは、遠視や老眼(老視)、ドライアイによる眼精疲労だ。
遠視は遠くにピントが合いやすい状態をいい、近くを見るときに毛様体を緊張させなければならないため、強いストレスがかかる。老眼は加齢により、水晶体の弾力性が弱まって近くにピントが合いづらくなる状態だ。
「もともと遠視で、若いときに視力が2.0ぐらいある人は、そもそもメガネをかける習慣がありません。しかし、老眼が進む年代では、水晶体が硬くなっているので、ピントを合わせる力が落ちてきます。若いころのようにピントが合わなくなるため、遠近両用のメガネやコンタクトレンズなどを使わないと、眼精疲労はひどくなります」(横井さん)
現代はパソコンやスマホを見るなど、近い距離を見ることが多い生活をしているため、遠視や老眼の人は、眼精疲労を起こしやすい。
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