モノを見るという重要な役割を果たす目。瞬きをしたり、目をつぶったりしているとき以外、常に外気にさらされている目を、ゴミや雑菌などから守っているのが「涙」だ。
目の表面に膜を作ってそれらの異物の侵入を防ぐほか、侵入してきた異物を涙とともに洗い流すことで、その役割を果たしている。ほかにも、涙は目の乾燥を防いだり、酸素や栄養分を補給したりしている。
通常であれば、涙腺で作られた涙は、反射的に瞬きをすることで目の表面に広がり、乾燥を防いでくれる。また、リラックスしているときにも涙が分泌され、眠って目を閉じている間に前日の乾きがリセットされる。
ドライアイかどうか調べる方法
こうした涙の役割が何らかの理由で妨げられ、涙が目の表面を十分に覆うことができなくなることで、目に乾燥感が生じたり、モノが見にくくなったりする病気がドライアイだ。
通常、目の表面を覆っている涙は、油層、ムチンを含む水層の2層構造の膜になっている。この膜が壊れるまでの時間を調べることで、ドライアイがどうかが診断できる。
「目を開けたまま瞬きをしない状態で、涙の膜がどれくらいの時間で壊れるかをみます。このときの時間が5秒以内であれば、ドライアイが疑われます」(横井さん)
ドライアイのリスクファクターで最も多い環境要因は、パソコンやスマホの画面の見すぎだ。
一般的に我々は1分間に20〜30回ほど瞬きをするが、ディスプレイを凝視していると、その回数が減る。そのため空気にさらされる時間が長くなり、目が乾いてくる。この手のドライアイは、VDT(Visual Display Terminals)といわれるコンピュータのディスプレイを凝視する業務に従事していたり、スマートフォンを常用したりする人に見られ、男女差が比較的少なく、10〜30代の人に多い傾向がある。
このほか、ドライアイは加齢や病気が原因で起こることもある。
加齢によるものは40〜50代以降から始まり、その多くが女性だ。
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