【老眼】「メガネがつらい」という人に伝えたい事 「遠視でずっと裸眼」は将来、認知症のリスクに

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着けていて快適な「遠近両用メガネ」の選び方を紹介します(写真:daboost/PIXTA)
最近、老眼を自覚しはじめたけれど、まだシニア世代ではないし、できることなら老眼鏡はかけたくない、何とかして予防したいと思っている人もいるかもしれない。だが、早めに老眼を受け入れて、メガネやコンタクトレンズを早い段階から取り入れることで生活が楽になったり、肩こりや頭痛などの不調が改善したりする事例があるという。
スマホ時代の「いい目」についての新定義とともに、最適なメガネの選び方について、老眼用のメガネ選びに詳しい眼科医の梶田雅義医師(梶田眼科院長)に話を聞いた。

「目が悪い」というと、ほとんどの人が近視をイメージする。かつて、視力検査では遠くが見える目ほど「いい目」とされていたためだ。ところが、スマホを多用し、デスクワークにパソコンが欠かせない現代における「いい目」とは、むしろ近視だと梶田医師は言う。

近くがよく見えたほうがいい

「スマホや家の中、バスや電車の掲示板など、いまや必要な情報のほとんどは目から15センチから4メートル程度の中近距離にしかありません。とくによく見るスマホは、目から15~20センチの距離。そうした時代において、遠くが見えても近くが見えづらい遠視は生活しにくい。近くのものが楽によく見える近視の目こそがいまの時代の『いい目』といえます」(梶田医師)

近視の人は近くは見えるが遠くがよく見えないために、メガネ作りでもつい、「いまよりも遠くが見えるようにしたい」と思いがちだ。メガネ選びで梶田医師が重視するのは、「視力をよくばらない」ことだという。

「自分の仕事環境や生活環境をふまえて、『快適さ』を優先してメガネのレンズの度数を設定するといいでしょう。テレビとの距離、パソコン作業中の画面との距離、車の運転など、どこにピントを合わせるかで必要な度数も変わってきます」(梶田医師)

かつては「いい目」とされた遠視の人は、自分はいい目だからと裸眼で頑張り続けないことが大切だ。65歳を過ぎてしまうと、そこからいざ、メガネをかけようと思っても、体がメガネに慣れることができなくなってしまうという。メガネに慣れるということは、自転車に乗ることと似ているのだ。

「遠視で裸眼のままメガネをかけずに年齢を経てしまうと、73歳ぐらいで認知症の症状が出てくる人がいます。『メガネをかけてしっかり見る』ということは認知機能を高め、認知症を予防する観点からも重要です。できるだけ早い時期からの最適なメガネ選びが大切です」(梶田医師)

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