
『Twelve Minutes』の魅力とは?(画像は『Twelve Minutes』公式サイトより)
「テレビゲーム」は子どもがやるものと思われがちですが、書籍や映画ともまた違う独自のシリアスな、あるいはユニークな作品が多数あります。その魅力は奥深く、大人の趣味として楽しめるほどに成熟しているといっても過言ではありません。
そこで、この連載では、ゲームの評論やコラムを10年以上書き続けているゲームライター、いわばゲームを遊ぶプロである渡邉卓也氏が、ゲーマーからは人気でも一般的にはあまり知られていないであろう著名な作品や傑作を紹介します。
第27回は、ゲーム機やPCだけでなくNetflixでも遊べ、映画好きにはとくに刺さる『Twelve Minutes(12ミニッツ)』を取り上げます。
「12分間」を何度もループする映画のようなゲーム
あなたはアパートに帰宅した男性です。部屋には妻がおり、他愛のない話をしたり、一緒に手作りのケーキを食べたりしてロマンチックな夕方を過ごしています。そんなところに警察を名乗る男がやってきて、自分たちを拘束しようとしてきたらどうでしょう。寒気がするような出来事ですし、冷静ではいられません。なんとかして妻を守らないと……。
おまけに、その男に自分が殺されてしまったらどうでしょうか。「いや、死んだらどうでしょうも何もないでしょう」と思うかもしれませんが、『12ミニッツ』に関してはそう思えるのです。なぜなら、この世界ではループが発生して同じ時間を繰り返しているのですから。
「映画のようなゲーム」という表現がありますが、現在テレビゲームと映画はお互いに影響を与え合うような間柄になっています。その2つがうまく融合したような作品もいろいろ見られるようにな
『12ミニッツ』はまさにそんな作品で、『シャイニング』『裏窓』『メメント』といった映画から影響を受けているゲームです。ゲーム『メタルギアソリッド』シリーズなどを手掛け、大の映画好きとして知られる小島秀夫監督もまた本作を高く評価しています。
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