キャラドーナツが人々を夢中にさせるワケ キーワードは"懐かしさ"と"家族団らん"

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このようにこだわり素材、手作り、といった品質を保ちながら、定番商品については低価格で提供している同社が、全国的にしかも安定的な事業を続けて行ける秘密はどこにあるのだろうか。

「店舗オーナーやスタッフのモチベーションに依存しているところが大きい」と北野さんは語る。たとえば大量に作り置きができ、販売員が1人いればよいという業態なら人件費が抑えられる。しかし同社では注文をとってから作るわけだから、販売員と調理スタッフが最低1人ずつは必要だ。売り上げが1日7万円程度の店舗で、スタッフ数は2.5~3人という。

「手間もかかるし『儲けたいからフランチャイズでも』というオーナーさんには難しい。『ここのドーナツがおいしいから自分も作りたい』『体にいい食品を提供したい』という、ナチュラル志向の人が応募してきます」(北野さん)。

各店舗でオリジナルドーナツを考案

一口食べて前の会社をやめた、北野さんの情熱が、フランチャイズオーナーやスタッフたちにまで伝播しているのかもしれない。さらにモチベーションを維持するために、各店舗でオリジナルドーナツを考案してもらうなどの工夫もしているという。

また同社では包材を必要最小限にとどめ、ゴミを増やさない工夫をしている。

こちらはグランベリーカカオ。オーガニックカカオ使用のカカオドーナツにクランベリージュースを染み込ませたホワイトチョコをコーティング

「そもそもドーナツというのは、原材料にそれほどコストがかからずできるものなんです。だからこそ、お安く提供できているのですが、さらに包材でもコストを抑えています。それに『体にやさしい安全なドーナツ』を売りにしているのに、包材をたくさん使って無駄にしたら、ポリシーと矛盾してしまいますよね。一般的にスイーツの専門店は、価格の半分ぐらいのコストを包材にかけているはずですから、それを考えれば、かなり大きくコストダウンできていることになります」(北野さん)。

今回のキャラクタードーナツは、世界名作劇場の放映開始40周年を記念ということで、制作会社である日本アニメーションから依頼があり、発売されたもの。実は日本アニメーションとのコラボは初めてではなく、2013年の11月にNHKで放映されているアニメ「うっかりペネロペ」をキャラクタードーナツ化した経緯がある。

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