キャラドーナツが人々を夢中にさせるワケ キーワードは"懐かしさ"と"家族団らん"
アニメ「世界名作劇場」のキャラクターがドーナツになって登場した。3月26日~4月15日は「あらいぐまラスカル」、4月16日~5月6日「母をたずねて三千里」、5月7日~27日は「フランダースの犬」と、それぞれ期間限定で3作品のキャラクターをモチーフにした全8種類が順次発売される。
いずれも1970年代に放映された作品で、内容もさることながら、主人公の少年と絆を結ぶ動物たちの姿が感動を呼び、国民的な人気を博したアニメである。ちょうどその頃、児童として番組を視聴していた世代だけでなく、より若い世代や子供たちにも、「ラスカル」「パトラッシュ」のキャラクターはおなじみだ。
そんな懐かしく、愛すべきキャラクターたちをドーナツとして商品化したのは、大阪に本社を持つフランチャイズチェーンのドーナツ専門店「フロレスタ」。2002年に販売を始め、現在東北から沖縄までフランチャイズ店が35店舗、韓国に1店舗を展開。さらに今年4月から6月にかけて3店舗ほど出店予定だという。食品添加物を使わないことをコンセプトとしている同社では、食品の色を使ってアニメキャラクターのかわいらしさを見事に再現している。
ネロの帽子には、紫いものパウダー
たとえば一番人気のラスカルのふさふさした黄色の毛並みは、ホワイトチョコレートにかぼちゃパウダーを混ぜて表現。しっぽのシマシマはチョコレートだ。「フランダースの犬」の主人公、ネロの青い帽子には、紫いものパウダーを使用した。
「世界名作劇場というブランドが持つ、『あたたかいイメージ』の表現にこだわりました」(フロレスタ 北野敬一さん)。
そのため、表情を出すのには苦労したという。結果として、なんとも言えないやさしい表情を浮かべたキャラクターのドーナツに仕上がった。
価格は300円/380円と高めだが、北野さんによると、「あまり値段に構わず、見た目のかわいらしさで購入されるお客様が多い」とのことだ。発売当日テレビで紹介されたこともあってか、売り上げが1.3~1.5倍になるほどの人気ぶり。キャラクターの商品だけでなく、ほかのドーナツも購入していく客が多いので新規客の増加にも寄与している。
「ちょうどセブンイレブンさんがドーナツを始め、高まってきていたドーナツ人気の波に乗れた感じ」と北野さんは分析する。 ちなみに、同社の事業が本格化し、会社を設立した2006年当時もちょうど、米国の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の来日が重なり、ドーナツフィーバーにのれた経緯があるという。
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