キャラドーナツが人々を夢中にさせるワケ キーワードは"懐かしさ"と"家族団らん"
ただ、見た目のかわいさや、キャラクター人気、ましてドーナツフィーバーだけで売れているわけではない。何より、ドーナツそのものの商品力があってこそ、フロレスタという会社がここまで成長してきたと言える。
できるだけ国産、有機栽培の原料を選び、保存料などの食品添加物は使用しないというのがフロレスタのポリシーであり、また固定客を掴む所以である。
「安心できる原材料を用いているということで、小さなお子さんを持つお母さんがターゲット層ですが、おじいちゃん、おばあちゃん世代や若者など、幅広いお客様に買って頂いています」(北野さん)。
北野さんは店がスタートする以前から、創業者である前田利安さん・由理子さんご夫妻と手を携えながら事業を進めてきた。もともとは違う会社に所属するビジネスマンだったが、前田さんのドーナツを一口食べたときに、「これはいける」と直感し、会社を辞めてドーナツ専門店の事業化に加わったという。よほど衝撃を受けたものだろう。人生を変えるほどのおいしさとは、どのような味なのだろうか。
お客からよく寄せられる声が、「お母さんの手作りおやつみたい」というものだそうだ。例えば創業以来変わらず作り続けているのがプレーン味の「ネイチャードーナツ」。130円という手頃な価格にも関わらず、売り上げの2割を占めるという定番商品だ。これについては作り置きをいっさいせず、注文をとってから作り始める。「揚げたてのあたたかさ」は、一番の売りになっているのだそうだ。
原材料は国産、有機栽培にこだわり
また小麦粉などの素材の味そのものが感じられるよう、甘さも控えめにして素朴な味に仕上げているという。ただ、材料も国産、有機栽培とこだわっているからこそ、素材感が濃く味わえるのであって、「ママの味」と言えども、普通の家庭では再現できないのではないだろうか。
スイーツの店の出世の道としては「デパートの地下」がすぐに思いつくが、フロレスタが出店しているのはすべて、路面店や駅のショッピングモールなど。これも、作りたてのおいしさを守る上でのこだわりだ。
「いちど大手デパートに出店したことがありましたが、今ではデパートには出さない方針をとっています。デパートは閉店時までショーケースに商品を並べておかなければならないんですね。売れ残りも大量に出てしまうし、作り立てを提供するという、うちのオペレーションには適さないんです」(北野さん)。
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