医師に聞く「暖房なし」で朝までぐっすり眠る方法 深い睡眠に辿り着けるのは「入眠後4時間以内」

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とくに、お湯を入れるだけでいい湯たんぽは、省エネ面でも睡眠面でも優秀です。寝るタイミングのおよそ2時間前、ちょうどお風呂に入るタイミングでふとんの中にセットすれば、眠りにつくときにはふとんの中がじんわり温まっていて、幸せな気分で眠りにつくことができます。

ただし、これらのふとんを温めるグッズは、必ず寝る直前には取り出すか、電源を切るようにしましょう。なぜなら、ふとんの中の温度は下がっていっても、逆に身体からは眠っている間に熱が放出されるので、自然に温かさをキープすることができるからです。

このように、省エネしながらでも十分、ぐっすり眠る環境を整えることはできます。ぜひ、毎日の習慣に取り入れてみてください。

靴下をはいて寝る人は損をしている

ふとんに入ったら湯たんぽを取り出すのは、身体から熱が放出される以外にも別の理由があります。

カギとなるのは、深部体温。深部体温とは、身体の表面ではない内臓など内部の体温のことをいいます。

人が眠りにつくとき、手足から熱が発散されて身体の深部体温が下がり、それによって眠気が増長されます。この深部体温が高ければ脳や身体の行動が活発になり、低くなれば眠くなるというのは人間の身体の基本的なメカニズムです。

この深部体温は、メラトニンの分泌によって変動します。メラトニンは、夜になると多く分泌されて深部体温を下げ、それにつれて眠気が訪れます。朝になって太陽光を浴びると、脳からの指令で分泌がストップ。自然と目が覚めて深部体温が上昇し始め、日中は高めのまま推移するというのが、深部体温の決まったリズムになります。

この深部体温は、先ほどからお伝えしてきた「ぐっすり眠る」という状態をつくるためにとても大切です。

人は、眠ってから深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)を繰り返していきますが、一番深いノンレム睡眠のステージまでたどり着けるのは、眠ってから4時間以内だけ。この「深睡眠(しんすいみん)」と呼ばれるステージに複数回到達できることを、わたしは「ぐっすり眠る」と表現しています。

その状態をつくるためには、眠り始めるタイミングで深部体温が下がっていることが重要です。逆に、その状態をつくれなければ、どんなに長く寝たとしても身体の疲れをしっかり取ることはできないのです。

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