米紙の行くべき街に「盛岡」日本人が知らない魅力 NYTで紹介、個性ある「個人店が光る」大人の街

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「まちなかを流れる川や個性ある個人経営の店など、“普段暮らし”の盛岡の良さが世界に紹介されたことは、盛岡の誇り」。そう語るのは、推薦文の中でも紹介された明治40年創業の老舗「そば処 東家」の馬場暁彦社長。盛岡名物「わんこそば」で知られる同店だが、地元ではかつ丼や季節のそばなどが人気の店だ。

東家の5代目である馬場さん、実は10年余りニューヨークで暮らした経験があり、今回の「52カ所」のニュースも、日本で報じられる前に現地の友人から知らされ、掲載されたNYT日曜版の紙面も入手した。「盛岡が選ばれて、とにかくただただびっくりした」と話す馬場さん。

ニューヨークから盛岡に戻った2003年当時、エンターテインメントがあふれ華やかなニューヨークとこぢんまりしていて静かな盛岡とのギャップに気落ちすることも。しかし暮らすうち「歩いて暮らしを楽しめる盛岡の適度な規模感は、成熟した大人にとってこそ魅力的」と感じるようになったという。盛岡が掲げてきた“コンパクトシティ”が評価され、まさに我が意を得たりだ。

偶然にも今回の報道以前の昨年11月下旬から、店舗改修後のリニューアルオープンや全国放送の人気番組で紹介された影響で繁盛しているという東家。「52カ所」の報道によって、わんこそば目当ての観光客でさらににぎわいを見せており、NYTの報道で興味を持ったというアメリカ人男性2人組や出張ついでに滞在を延ばしてまちなか散策を楽しむ男性客など、「52カ所」の効果も実感しているという。

盛岡でインバウンド(訪日外国人観光)に対応できる店は限られるため、国内観光の回復とともに「盛岡を何度も訪れる国内のリピーターを増やし、地域全体のにぎわいにつなげたい」と馬場さんは意欲を語る。

サケが遡上する川と趣きある「紺屋町」

推薦文の中では、街並みの美しさとともに4つの店が挙げられた。それが東家のほか、「NAGASAWA COFFEE(ナガサワコーヒー)」「BOOKNERD(ブックナード)」「開運橋のジョニー」だ。

東家とブックナードの2つがあるのが、市内中心部を流れる中津川の東側・河南地区。「曲がりくねった川」と紹介された中津川は、秋になるとサケが遡上し、冬には白鳥が舞い降り、四季の移ろいを感じさせる。秋になると、橋から川をのぞき込んでサケを探す光景が風物詩にもなっている。

夏になると河川敷で水遊びをする親子連れや若者の姿も見られる中津川(写真:筆者撮影)
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