中学受験、「危ない学校と良い学校」の見極め方 良い伝統校は学校文化を残しつつ変化していく

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学校説明会などからその学校の本質が見えてくることがある(写真:Fast&Slow)
少子化にもかかわらず中学受験をする家庭が増えている。現在、子どもの中学受験を考えている親は、1990年代前後にかつての「中学受験ブーム」を経験した世代であることが多い。しかし保護者世代の中学受験と、「令和の中学受験」は大きく変わっている。
都内で中学受験指導塾「スタジオキャンパス」を経営し、『令和の中学受験2 志望校選びの参考書』の著作もある矢野耕平さんに、中学受験に挑む心構えや、志望校を選ぶ際に考慮するべきポイントなどについて聞いた。

令和の中学受験における大きな変化の1つが、学校の教育内容や、偏差値の序列だ。矢野さんは「保護者世代が聞いたこともない学校が人気になっていたり、男女別学より共学の人気が高くなり教育内容が変化していることもある」という。

また、偏差値に基づく序列も大きく変わっている。例えば1985年の四谷大塚の偏差値一覧表では、偏差値は武蔵→麻布→巣鴨→暁星→海城となっていた。それが最新では麻布→海城→武蔵→巣鴨→暁星となっている。

もう1つが、入試で求められる内容と準備の負担の大きさにある。

「保護者世代の受験では、算数・国語の2教科か、算国理社の4教科の選択型が中心でした。2教科を選んでも難関校を受けることができました。しかし今の中学受験は2教科で受けられる学校はほんのわずかで、4教科が主流です。

第1志望への合格は困難だが…

そのため今の子どもたちの勉強量は非常に多く、中学受験の勉強を始める時期が早くなっています。保護者世代は小学校5年生くらいから始める子が多かったですが、今は小学校4年生が主流。塾の囲い込みがどんどん早くなってきて、席を確保するために小1から中学受験塾に通う子が増えています」

それでも競争の激しい令和の中学受験では「3人に1人も第一志望に受からない」と矢野さんは言う。一方で、首都圏では複数の学校を受験することが可能なため、安全圏の偏差値の学校を受けられるよう戦略を組めば「全敗」を避けることは十分可能だ。

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